「マッド・ドッグ」が中国に送ったメッセージ 防衛省幹部「オーラが違う」

 【外交・安保取材の現場から】

 マッド・ドッグは、ただ吠えるだけではなかった。

 米国のマティス国防長官のニックネーム「マッド・ドッグ」は「狂犬」を意味するだけでなく、勇猛果敢さをたたえる尊称でもあるが、荒々しさをイメージさせる。だが、2月3、4両日に来日した際にマティス氏はもう1つの異名「戦う修道士」の片鱗をうかがわせた。それは4日に行われた稲田朋美防衛相との共同記者会見でのことだった。

 「今この時点で軍事作戦の必要はない。外交官によって解決するのがベストだ」

 マティス氏は、中国が軍事施設建設を進める南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島問題について問われ、こう答えた。この発言が際立つのは、トランプ米政権の「閣内不一致」とでも呼べる側面をはらんでいるからだ。

 トランプ大統領から国務長官に指名されたティラーソン氏は1月11日の米上院承認公聴会で、スプラトリー諸島をめぐるオバマ前政権の対応を批判し、「中国に明確なシグナルを送る必要がある。第1に人工島建設をやめること。第2に人工島に近づくことは許されないということだ」と述べていた。

 ティラーソン氏の発言は、米国内で「島に対する中国の接近を軍事力で阻止することを示唆した」(米紙ニューヨーク・タイムズ)と受け止められている。それだけに、「軍事作戦の必要はない」というマティス氏の発言は、ティラーソン氏のシグナルを修正する意味を持つ。

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