往年の石原節「だったら何ですか」「怠慢ではない」

 豊洲市場(東京都江東区)問題をめぐり、都議会百条委員会で20日、証人喚問に応じた石原慎太郎元知事。地下水の有害物質を環境基準以下にするとした知事時代の方針が移転に影響を及ぼしていることに、思わず「基準のハードルが高すぎた」と漏らした。その一方で、質問が長い都議には「簡潔に質問して」「だったら何ですか」と迫るなど、往年の“石原節”で持論を展開する姿には余裕さえも感じさせた。

 当初予定の3時間が体調不良により、休憩を挟んだ1時間に短縮されたこの日の証人喚問。石原氏には、弁護士のほか医師の付き添いも許可された。

 「作家です」。冒頭の質問で職業を問われ、石原氏は少ししゃがれた声で答えた。その後、2年前に患った脳梗塞の後遺症で「記憶を埋蔵している『海馬』という部分がうまく働かない。ひらがなさえも忘れた」と述べ、質疑を前に当時の記憶が不鮮明なことをわびた。

 交渉経過などについての具体的な追及が始まると、3日の会見同様、「(部下に)任せていた」「報告を受けていない」と繰り返した石原氏だが、随所で“らしさ”も見せた。

 平成23年3月、当時の中央卸売市場長だった岡田至氏が土壌汚染対策費の東京ガスとの負担について「石原氏に説明した」と証言していることを問われると、「だったら何ですか。記憶にないものはありません」と反論。狙い通りの答えを引き出せず、いらだちを隠せない議員の質問が長くなった際には、「簡潔に」「重複している」と委員長の指名を待たずに発言、たしなめる場面もあった。

 東ガスとの交渉を託していた浜渦武生元副知事についても言及。石原氏は「都の財政再建のため職員歳費のカットが必要となり、浜渦氏が当時の組合の委員長を説得してくれた」と振り返り、高く評価して交渉役に指名したとも説明した。

 豊洲問題をめぐり批判を浴びてきたことに「(百条委で)屈辱を晴らしたい」と述べてきた石原氏。都議から「興味のある課題以外は部下に任せきり」と問われると、「怠慢ではない。週に3、4日しか都庁に来ないといわれたが、(都庁にいない日は)都内を歩き、(行政課題に関する)いろんなことを発見した」と語気を強めた。

 69席用意された一般傍聴席は全て埋まった。途中、大声で石原氏を批判する発言を繰り返した2人の傍聴者が退場を命じられる場面もあった。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ

    どう思う?

    「どう思う?」一覧