民進・蓮舫執行部への遠心力拡大 長島昭久氏、民共連携に反発し離党決断 細野氏も独自改憲私案

 民進党の蓮舫執行部が揺れている。長島昭久元防衛副大臣が共産党との共闘路線を批判して離党を決断。執行部の一員でもある細野豪志代表代行は教育無償化などを柱にした憲法改正私案を公表し、蓮舫代表との違いを鮮明にした。7月2日投開票の東京都議選を前に蓮舫体制を揺るがす動きが相次いだ格好で、さらに遠心力が強まれば党の崩壊につながりかねない。

 「居場所がなくなった」

 長島氏は10日、国会内で民進党の野田佳彦幹事長と面会し、離党届をテーブルに置いてこう語り始めた。

 野田氏は「(民共共闘は)前執行部からの方針で、なぜ離党が今なんだ」と反論。今後、長島氏が前回出馬した衆院東京21区に対抗馬を立てる可能性にも言及したが、長島氏は「申し訳ない」と頭を下げたまま、部屋を立ち去った。

 長島氏が離党を本格的に検討し始めたのは、平成27年の安全保障関連法をめぐる国会審議がきっかけだ。

 10日の記者会見では「国家の基本である外交・安全保障政策で、私の目指すリアリズムと共産党の路線は重ならない」と強調。「『安保法制廃案』という、現実的とは思えない一点で折り合いを付けようとしても、政権を担った途端、たちまち破綻することは火を見るよりも明らかだ」と断じた。

 今回の離党劇には、党の問題点が凝縮されている。

 まず、党内では民共共闘に対する拒否感が根強い。もともと両党は日米同盟や消費税など国の根幹政策で主張が違う。党内では保守派を中心に「当選者1人の衆院選小選挙区で民共が連携すれば、『政権はともにしない』という蓮舫氏の言葉が説得力を持たなくなる」と反発が強い。

 党都連幹事長でもあった長島氏の離党は、都議選とも深く関係している。長島氏は会見で、「都民ファーストの会」を事実上率いる東京都の小池百合子知事について「(都議選に)チャレンジしようとしている姿勢は意義深い」とエールを送った。民進党の公認予定候補の「離党ドミノ」が止まらず、長島氏に近い候補も離党している。長島氏が党内にとどまれば、自身の政治生命に影響が及ぶ可能性が高かった。

 一方、細野氏の憲法改正私案も、蓮舫体制を揺さぶる火種になりそうだ。

 改正私案の柱である教育無償化について、蓮舫氏は、憲法改正による実現に否定的だ。3月12日の党大会では、改憲による無償化を唱える日本維新の会を念頭に「無償化の最大の課題は財源だ。憲法改正が必要との主張はこれをごまかそうとしている」と訴えた。党幹部である細野氏から飛び出した反執行部色の強い私案に対しては「党がばらばらとみられることがないようなマネジメントが求められている」(前原誠司元外相)と懸念が漏れる。

 細野氏は10日、国会内で記者団に「民進党は、安倍晋三政権のもとでの憲法改正について、全て否定をするという考え方はとっていない。私の考え方は決して党の方針には反していない」と語った。しかし昨年1月、民主党の岡田克也代表(当時)は「立憲主義を理解しない首相のもとで憲法改正を議論すると、憲法そのものの破壊になってしまう」と明言している。

 民進党が憲法改正に積極姿勢を示せば、民共の選挙協力の足かせになりかねないという事情もある。

 「(憲法論議に)野党共闘が影響するようでは民進党の存在意義がなくなってしまう。しっかりと提示するのが提案型政党の姿だ」

 こう語る細野氏の不満は、共産党を「国家観が著しく異なる」と断じた長島氏とも通底している。(松本学、山本雄史)

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