弱まる自民党税調 官邸と財務省の狭間で存在感発揮できず「追認機関」の汚名も

 平成30年度税制改正をめぐり、自民党税制調査会(宮沢洋一会長)が首相官邸と財務省の狭間で存在感を発揮できずにいる。焦点の所得税改革は財務省の筋書き通り決着する見通しとなり、逆に27年ぶりの新税となる観光促進税(出国税)の創設や法人税減税は官邸主導で進んだためだ。かつて政府や財務省ににらみを利かせた自民税調だが、「追認機関」との汚名はなかなか払拭できない。

 「高齢化がさらに進展して社会保障費が増大することは分かっている。日本の財政を持続可能にしていく方向で議論をしているのは間違いない」

 宮沢氏は6日の党税調会合後、今回の議論の経緯を記者団に問われ、こう自信を示した。しかし、実態は異なる。6日は各省庁の税制改正要望を党税調が「○△×」などと仕分ける大詰めの協議が行われた。その結果をみると、財務省と官邸が根回しした内容がほぼ実現する場面が目立った。

 所得税改革では「給与所得控除」などが見直され、年収800万円超の会社員は増税になる見通しだ。財務省が周到に用意した案で、全体で1千億円の増収になるが、会社員全体の約5%が対象となり、世論の反発が懸念されていた。

 財務省幹部は「何年もかけて準備してきた結果」と打ち明ける。あまりのスムーズさに省内には「高い球のつもりだったが、そのまま通ってしまい、逆に驚いた」との声があるほどだ。

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