ユネスコ脱退すべきか 「政治的決定機関なら脱退」「日本の文化力発信に必要」

【ニッポンの議論】

 重要な歴史文書などを認定する「世界の記憶」(世界記憶遺産)をめぐり、政治的偏向が目立つ国連教育科学文化機関(ユネスコ)からの脱退論がくすぶっている。2015年の「南京大虐殺資料」の登録を受け、今度は日中韓を中心とする市民団体などが「慰安婦関連資料」の登録を目指している。日本政府の働きかけによって制度改善が進んでいるものの、今後ユネスコとの関係はどうあるべきか。自民党の山田宏参院議員と元ユネスコ事務局長の松浦晃一郎氏に聞いた。 (政治部 広池慶一)

山田宏氏「政治的決定機関なら脱退」

 --慰安婦資料の登録が見送りに

 「10月にパリで開いたユネスコの執行委員会で、世界の記憶の制度改革に関する決議が全会一致で採択された。慰安婦関連資料の登録が見送られたというよりは、ペンディングボックスに入ったということだ。論争のある政治的、歴史的案件は関係国で協議し合意がなければ登録されない。さらに、既に登録されている『南京大虐殺資料』の登録を抹消する道も開かれた。日本政府が一生懸命取り組んだ結果だ」

 --何が問題だったのか

 「世界の記憶というからには、世界中、誰でもその資料にアクセスできなければならない。しかし、南京大虐殺資料については、どんな資料が登録されているのか、資料が何点あるのか、われわれは見ることができなかった。また、ユネスコの世界遺産は条約に基づいて政府が申請し、登録過程で意見表明する機会があるが、世界の記憶は国連の事務機関が決定していた。このため審査過程が極めて不明瞭で、相手国の言い分を聞かずに登録するということが繰り返し行われてきた」

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