北朝鮮の密輸を海自艦が監視 黄海や日本海、米と連携

 北朝鮮が国連安全保障理事会の制裁に反し、石油などの積み荷を海上で船から船に移し替えて密輸することを防ぐため、海上自衛隊の護衛艦が昨年12月以降、朝鮮半島西側の黄海や日本海の公海上で警戒監視活動を行っていることが12日、分かった。自衛隊による北朝鮮の制裁逃れに対する監視活動が明らかになるのは初めて。米国と連携して不審な船舶を監視し、写真撮影などの情報収集を行っているという。政府関係者が明らかにした。

 洋上で船から船へ荷物を移し替える手法は「瀬取り」と呼ばれる。暴力団による薬物密輸など違法活動にも使用されている。

 国連安保理は昨年9月、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への制裁として、海上で北朝鮮船舶に積み荷を移すことを禁じる決議を採択した。しかし、決議後も北朝鮮が瀬取りによる密輸を繰り返しており、中国やロシアが関与している可能性が指摘されてきた。

 ロイター通信は昨年末、複数のロシア船籍タンカーが昨年に少なくとも3回、北朝鮮船舶に洋上で石油精製品を引き渡していたと報道。昨年10月には韓国の港を出た香港籍の船が公海上で北朝鮮の船に約600トンの石油精製品を移し替えたことも明るみに出ている。

 トランプ米大統領は昨年12月28日、ツイッターに「犯行現場を押さえた。北朝鮮に石油が供給されるのを中国が容認していることに非常に失望した」と投稿。米政府は昨年11月、北朝鮮船による瀬取りの現場を押さえたとする衛星写真も公開し、日本や韓国など関係国に連携した対応を呼びかけていた。海自の活動はこれに応えたものだ。

 自衛隊には瀬取りを取り締まる法的権限はなく、可能な活動は艦艇や艦載ヘリコプターによる監視にとどまる。ただ、政府関係者は「護衛艦やヘリの姿を見せるだけでも抑止効果が見込めるし、現場の写真を撮影して国際社会に公開することもできる」としている。

 一方、防衛省は「自衛隊はさまざまな警戒監視活動を行っているが、その一つ一つについては公表しない」と表向きは警戒監視活動を明らかにしていない。

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