岩屋防衛相「協力自治体は632で全市町村の36%」 自衛官採用めぐり自民議員に協力要請も

 岩屋毅防衛相は15日の衆院予算委員会で、自衛官の募集に協力している自治体は全市区町村の36%に当たる632自治体にとどまると明かした。「紙か電子媒体での(募集対象者の)資料提供を依頼しているが、6割の自治体はそういう形では応じていない」と述べた。国民民主党の渡辺周副代表の質問に答えた。

 防衛省は自衛隊法に基づき、全国の自治体に募集対象者の氏名、生年月日、住所、性別を「紙媒体または電子媒体」で提出するよう求めている。平成29年度は全1741市区町村のうち、求めに応じたのは632自治体だった。全体の53%に当たる931自治体では住民基本台帳からの書き写しで対象者の情報を取得し、残る178自治体(10%)からは情報を得ていない状況も説明した。

 一方、自民党は14日、党所属国会議員に対し、自衛官募集に関する防衛省への協力状況を各選挙区内の自治体に確認するよう文書で要請した。自衛官の募集をめぐっては、安倍晋三首相が10日の自民党大会で「6割以上が協力を拒否しているという悲しい実態がある」と述べ、自衛隊の存在を憲法に明記する必要性を訴えていた。

 これに対し、一部野党は反発を強めている。立憲民主党の本多平直衆院議員は15日の衆院予算委で「住民基本台帳の書き写しで(募集対象者の)データを得ている。それを協力でないということ自体が失礼だ」と批判。実際は9割の自治体が募集に協力しているとの考えを示した。岩屋氏は「法令に基づき資料の提出を自治体に求めている。それができないところは自衛官がやむなく(住民基本台帳を)閲覧して書き写している」と反論した。

 政府や自民党が自治体の協力を強く求めるのは、少子化の影響などで自衛官の採用状況が厳しさを増しているからだ。29年度の海上自衛隊の自衛官候補生の採用数は、募集計画の59・9%にとどまった。陸上自衛隊と航空自衛隊もそれぞれ約8割にすぎなかった。

 住民基本台帳からの書き写しは負担が大きく、自治体から募集対象者の情報提供を受けることができれば、ダイレクトメールの送付など効果的な募集活動をスムーズに行うことが可能になるという。

 防衛相経験者は「自衛隊は有事の際はもちろん、災害からも国を守っている。自治体にも自衛官の募集に積極的に協力してほしい」と語っている。

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