潜在成長率引き上げへ雇用、地方施策を強化 政府の成長戦略骨子

 政府の未来投資会議が示した成長戦略の実行計画の骨子は、人手不足が課題となっている雇用分野の取り組みや、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の恩恵が十分に及んでいない地方向けの施策などを打ち出した。日本経済の実力を示す「潜在成長率」は足元で1%程度にとどまる。人口減少や少子高齢化が成長の逆風となる中、生産性向上に向けた具体的な成果が求められそうだ。

 潜在成長率は、バブル景気だった1980年代後半は4%を超えていたが、バブル崩壊とともに低下し、平成20年のリーマン・ショック後はほぼゼロ%に沈んだ。アベノミクスのもとでやや持ち直し、内閣府の推計によると足元は1・0%。ただ、24年12月の第2次安倍政権の発足当時(0・8%)からの伸び率はわずか0・2ポイントだ。

 今夏にまとめる成長戦略では、70歳まで働ける環境の整備など、高齢者の雇用促進に向けた取り組みを柱の一つに据える。経済の担い手となる15~64歳の生産年齢人口は今後緩やかに減少すると見込まれる。高齢者の雇用機会が広がれば人手不足の解消に寄与し、潜在成長率を構成する3つの要素の一つ「労働投入量」の底上げが期待される。

 衰退の波が押し寄せる地方の活性化に向けた取り組みも盛り込む。地方銀行やバス事業者の再編を後押しするため、独占禁止法の適用に例外を認める。再編が進みコスト削減や経営効率化が加速すれば、生産性の指標で潜在成長率の構成要素の一つでもある「全要素生産性」の寄与度を高めることにつながりそうだ。

 政府は、名目国内総生産(GDP)600兆円の達成を目指している。低成長が常態化している中、潜在成長率の引き上げは今後も欠かせない。(森田晶宏)

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