保守分裂の前橋市長選に注目 群馬の令和2年選挙、7首長選を予定

 令和2年の群馬県内は7市町村長選と1町議選、1市1町議補選が予定される。中でも注目されるのが県都のリーダーを決める前橋市長選(2月2日告示、9日投開票)だ。自民党県連が自主投票を決めたことに伴い、保守勢力が3分裂。革新系も巻き込んだ前哨戦が始まっており、平成8年の市長選と並ぶ過去最多の計5人が立つ見通しの選挙戦は乱戦模様となる公算が大きい。(柳原一哉)

 昨年11月3日、前橋市内の自民党県連本部。市長選に立候補予定の3人から出された推薦依頼について協議する支部会議に注目が集まった。

 推薦を申請したのは、現職の山本龍(60)▽自民党県議の岩上憲司(46)▽元同党衆院議員の佐田玄一郎(67)-の3氏。下馬評では「現職有利」とされていた。

 ところが会議では急転直下、自主投票と決定。無記名投票で、自主投票を推す票が山本氏を推す票を1票差で上回った。自民推薦という「錦の御旗」は誰の手にも渡らなかった。

 山本氏は記者団に「投票の決定だから了とする」としながらも、「あと1人で(推薦を)取れた。うちは取るつもりだった」と悔しさを隠さなかった。

 一方、岩上氏は「現職に決まらなかったのは批判があるから。だからこそ自分が立つわけだ」と強調。佐田氏も「平等の戦いとなった」と、挑戦者側にとって自主投票はかえって有利との見方を示した。

 保守分裂の公算が大きい選挙戦はどうなるか。岩上氏は県議時代から培った保守地盤を固めつつ、連合系市議らからも支持を受け現職に挑む。ある連合系市議は「われわれの政策を取り入れるのは岩上氏しかいない」と共闘する構えだ。

 しかし、山本氏を推すベテラン県議は、この動きに「党に推薦を求めながら革新系と手を組むのか。保守同士の切磋琢磨(せっさたくま)とはいえず、もはや敵だ」と早くも岩上氏への敵意をむき出しにする。

 一方の佐田氏は唯一の国会議員経験者で、衆院議員を9期務めた実績をアピール。差別化のポイントに「中央とのパイプ」を掲げ、三者三様の戦いは日増しに激化している。

 前橋市長選には、元市議の中島資浩氏(48)、共産党の元市議、店橋世津子氏(58)もそれぞれ出馬を表明。情勢は混沌(こんとん)としてきた。

 県内ではこのほか、玉村町長選(今月21日告示、26日投開票)に現職の角田紘二氏(77)が立候補を予定する。石川真男氏(66)も出馬を表明し、今月7日付で町議を辞職。選挙戦となりそうだ。石川氏の辞職に伴い、町議補選(欠員1)も同日程で行われる予定。

 千代田町長選(3月10日告示、15日投開票)には、現職の高橋純一氏(59)が出馬の意向を表明。昭和村長選(5月12日告示、17日投開票)も、現職の堤盛吉氏(68)が立候補へ意欲を見せている。

 一方、国政では安倍晋三首相が昨年12月9日の会見で「解散総選挙を断行することに躊躇(ちゅうちょ)はない」と発言。解散総選挙は現実味を増しており、現職の衆院議員は「解散はいつあってもおかしくない。常在戦場だ」と身構えた。

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