ダムの堆砂、東京ドーム5個分撤去 計画に山梨、静岡知事なお不満

 土砂の堆積で周辺が何度も浸水被害を受けている山梨県早川町の雨畑ダムについて、ダムを所有する日本軽金属(日軽金、東京)が、5年間で東京ドーム約5個分の600万~700万立方メートルの土砂を撤去する計画を発表した。しかし、山梨県の長崎幸太郎知事はさらなる対応を要求。静岡県の川勝平太知事は駿河湾産サクラエビの不漁との関係を引き続き指摘しており、これで幕引きとはなりそうにない。(渡辺浩)

「元の状態に戻せ」

 「日軽金の当初の土砂撤去計画を間接的に聞いたところでは、とんでもなく長い期間をかける予定の、お茶を濁したようなもので、『ふざけんな』『ばかにしてんのか』という内容だった」

 長崎知事は昨年11月27日、雨畑ダムを視察後に行われた地元住民との対話集会で、日軽金の対応を厳しく批判した。

 記者団にも、「元の状態に戻せというのが原則」「計画通りの水準に戻すのが最低限の責務」「日軽金は地元に対する責任ある説明を一回もしていない。憤りを持っている」と憤慨。「これ以上、地元軽視の経営を続けるなら、浸水した県道などの損害賠償を求める訴訟もあり得る」とした。

さらなる撤去要求

 長崎知事の厳しい姿勢を受けて、日軽金は昨年12月20日に甲府市内で開かれた国土交通省や山梨県、早川町との対策検討会で、具体的な土砂の撤去計画を示した。

 雨畑ダムは、総貯水容量1365万立方メートルのうち1200万立方メートル以上が土砂で埋まっているほか、上流部の湖岸では湖面より高い位置に300万立方メートル以上の土砂が堆積している。

 計画は令和3年度末までに湖面より高い約300万立方メートル、6年度末までに湖底の300万~400万立方メートルを撤去するというもので、堆積土砂の4割程度にとどまり、知事の言う「元の状態」とはほど遠い。

 長崎知事は同月27日の記者会見で「600万~700万立方メートルは当面の計画で、最終的にはもう一段階撤去してほしい」とし、6年目以降にさらに300万~400万立方メートルの撤去を求める考えを示した。

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