尖閣を守る海人の心意気 石垣市民に敬意と感謝 「国を守る」と約束した安倍政権も気概を見せよ

 そんな時に救国に立ち上がったのは、天下の「さがな者」(=荒くれ者)として知られた藤原隆家や、地方の下級武士たちだったが、今の日本にそんな武士(もののふ)はいるのかと消沈していたところへ、朗報が飛び込んできた。

 沖縄県石垣市議会で22日、尖閣諸島の字名を現在の「字登野城」から「字登野城尖閣」に変更する議案の審議が行われ、賛成多数で可決された。字名変更は10月1日になされる。

 一部の議員からは「中国や台湾の反発を強めかねない」との反対の声が上がったそうだが、全国どこにでも他国目線な議員がいるのは困ったものだ。そして、彼らの心配のとおりに、中国政府は「中国の領土と主権に対する著しい挑発だ」とお門違いなことを言ってきた。

 ■船所有・水島氏「民間でできることをやった」

 この罵声を例によって日本政府はスルーしたが、石垣にはさらに果敢な行動に出た方々がいた。採決の2日前、20日の夜に2隻の漁船が石垣港を出て、翌日、尖閣諸島・魚釣島の近くで堂々と漁港活動を行ったのである。大漁の帰途、4時間にわたって中国船に追尾されながらも、4人の猛者は無事帰ってきた。出漁したのは、東京のネット放送局所有の「桜丸」と、地元漁船「恵美丸」、乗組員はそれぞれ2人だ。

 桜丸の所有者で日本文化チャンネル桜社長の水島総氏は、筆者の取材に対し、淡々と次のように答えた。

 「石垣市議会での尖閣の字名変更と今回の漁業活動は、実効支配の証明になる。民間でできることをやったまでだが、日本を思って、荒海に出た石垣のウミンチュと、彼らを守り抜いた海上保安庁の人たちの勇気をたたえてあげてほしい」

 10年以上前から石垣に漁船を保有し続け、安倍氏が総裁に返り咲いた同じ年には、魚釣島に上陸した経験もある水島氏。その勇気と愛国心にも称賛と敬意を表したい。永田町の議員に爪の垢でも、というのは果たして言い過ぎであろうか。

 ■有本香(ありもと・かおり)

 ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。

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