尖閣衝突事件10年 前原誠司元外相「菅首相が船長を『釈放しろ』と言った」

 --9月17日に外相に就任した後の対応は

 「下旬に米国で国連総会があり、出発直前にその勉強会で首相公邸に呼ばれた。佐々江賢一郎外務事務次官ら外務省幹部と行った。そのとき、菅首相が船長について、かなり強い口調で『釈放しろ』と。『なぜですか』と聞いたら『(11月に)横浜市であるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議に胡錦濤(中国国家主席)が来なくなる』と言われた」

 「私は『来なくてもいいじゃないですか。中国の国益を損なうだけだ』と言ったが、『オレがAPECの議長だ。言う通りにしろ』ということで流れが決まった。仙谷氏に『菅首相の指示は釈放ということです』と報告した」

 「私と菅首相は訪米し、あとは仙谷氏が対応することになった。逮捕すると決めておいて釈放するのは一貫性がない。仙谷氏は泥をかぶった。訪米するときに『オレに任せておけ』と言われた」

 「20日に佐々江氏が中国で戴秉国(たい・へいこく)国務委員(外交担当)に会ったときに映像を見てもらおうと思った。私が指示した。映像を見れば、どちらが悪いか一目瞭然だからだ。しかし『捏造(ねつぞう)したのではないか。そんなものは見ない』として最後まで見なかった。日本がこれを機会に尖閣の実効支配を強化しようとしているのと警戒していたようだ」

 「当時、オバマ米政権は米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条を尖閣に適用すると言っていなかった。訪米した私はクリントン国務長官との会談前日、ニューヨークの日本総領事館に東アジア担当のキャンベル国務次官補を呼んだ。20年来の知り合いだ」

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