尖閣衝突事件10年 元海上保安官・一色正春氏「映像を隠す理由はなかった」

 --映像を流出させた理由は

 「隠す理由がないからだ。今まで誰も『隠す理由は何か』との問いに対して明確に答えた人間はいない。普通に考えて誰かがやるだろうと思っていたが、誰もやらなかった。そして自分に順番が回ってきただけだ」

 --反響は大きかった。目的を達したという考えだったか

 「表面的な反応ばかりで、事件の本質について語る人がほとんどいなかったのが残念だ」

 --その後も尖閣諸島への中国の脅威は続いている

 「日本政府が何もしていないとは言わないが、力の入れどころが違うため、むしろ悪化している。中国は決して尖閣をあきらめないので、わが国が譲るか、ぶつかるかの二つに一つしかない。後者の場合、島に人がいるかどうかが大きな違いになる。それを分かっている韓国は竹島(島根県隠岐の島町)で実行している。わが国は尖閣に誰も上陸すらさせず、漁船も島に近づくことを禁じている。この状況を第三国が見ればどう思うだろうか」

 --10年前の事件で毅然(きぜん)と対応していれば、中国も出方を変えたと思うか

 「中国という国は、相手が強いとみると出てこないので、しばらくはおとなしくしていたと思う。ただ、こちらが少しでも隙を見せるとじわじわと攻めてくる。今までは安倍晋三政権で何とか持ちこたえてきたが、交代した政権を弱いと見れば攻勢を強めてくることが予想されるので注意が必要だ」

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