大手メディアとの対決も辞さなかった安倍政権 “反安倍”で凝り固まった「左派」は立ち位置取り戻せるか

 一方で、安倍政権のシンパ、アンチを問わず、ネット世論は過激化しやすい。朝日新聞の往年のスター記者は時の政権を批判するにも豊かな教養を感じさせたが、近頃は女性編集委員が“安倍嫌い”の余り、著書で「エビデンス? ねーよそんなもん」と開き直る始末だった。

 しかし、突然の「安倍ロス」。シンパも困っているが、実はアンチの人たちも先行き不安ではないのか。自民党総裁選で岸田文雄氏が勝利していれば政権にリベラル色が増していたはずで、彼らとしては攻め所を失っただろう。

 現実には、安倍路線の継承色が強い菅義偉氏が後継となり「延長戦」といった趣だが、朝日新聞も望月氏も本音のところではメシの種が残って安堵(あんど)しているのではないか。

 菅政権が長期化する可能性も小さくはないが、長い目で見れば「反安倍」で凝り固まってきた左派メディアは、ここで現実的な立ち位置を取り戻さないと糸の切れた凧(たこ)になりかねない。

 ■新田哲史(にった・てつじ) 言論サイト「アゴラ」編集長、報道アナリスト。1975年、横浜市生まれ。読売新聞記者、PR会社を経て2013年に独立。ネット選挙のコンサル業務などを経て、15年秋、アゴラ編集長に就任。蓮舫氏の「二重国籍」問題追及など、政治系ネットメディアとして政局に影響を与えてきた。共著に『朝日新聞がなくなる日』(ワニブックス)、単著に『蓮舫vs小池百合子、どうしてこんなに差がついた?』(同)など。

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