【メガバンク再考】求められる目利きの力 くすぶる不良債権問題

 メガバンクが誕生した約20年前、金融業界はバブル崩壊の後遺症が色濃かった。平成10年には日本長期信用銀行と日本債券信用銀行が破綻し一時国有化された。「次につぶれる銀行はどこか」という不穏な雰囲気が漂っていた。

 11年8月20日、東京・内幸町の帝国ホテル。第一勧業、日本興業、富士の3行統合の記者会見で、富士銀の山本恵朗頭取は「世界の五指に入ることを目指す」と述べた。

 しかし脳裏にあったのは不良債権処理だ。そのためには規模拡大による効率化しかない。大手行にも公的資金が注入される中、体力の弱い銀行をつぶさない“護送船団方式”という金融行政が行き詰まっていたことも再編を後押しした。

 「再編に乗り遅れるのではないか」。みずほ誕生でこんな焦りが他の大手行の幹部に伝染する。

 当時、住友銀行の頭取だった西川善文氏は「(みずほが)実現すれば、これまでとは比べものにならない“メガバンク”の誕生になる」と危機感を募らせた。そして、みずほの発表からわずか2カ月後の10月、旧財閥の枠を超えて三井系のさくら銀行との合併を発表した。

 17年10月には三菱東京FGがUFJホールディングス(HD)と合併して三菱UFJFGが誕生。大手は3メガバンク体制になった。メガを含む主要7行の不良債権比率は14年3月期の8・4%をピークに減少に転じ、足元の令和2年3月期には0・6%に低下。不良債権問題は一応の収束をみた。

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