菅首相と維新、際立つ蜜月 都構想に向け思惑も

 29日の衆院本会議では、菅義偉首相と日本維新の会の馬場伸幸幹事長との蜜月ぶりが際立った。大阪市を廃止し4つの特別区に再編する大阪都構想の住民投票(11月1日投開票)を目前に控え、維新には関係が深い首相との絆をアピールすることで、世論調査で賛否が拮抗する住民投票を有利に進めたい思惑が透けた。

 「(都構想に向けた法整備の)議論をリードしたのが菅首相だ」

 馬場氏は代表質問で、首相が住民投票の前提となる大都市地域特別区設置法の成立を推進したことを踏まえ、こう持ち上げた。

 これに対し、首相は都構想について「大阪市民が構想の趣旨と内容を十分に理解したうえで判断するものだ」としながらも、「二重行政の解消と住民自治の拡充を図る大都市制度の大きな改革だ」と強調した。

 馬場氏は、政府が集中砲火を浴びる日本学術会議の会員任命問題に関しても「(学術会議が)推薦した候補を形式的に任命していた『あしき前例』をこそ見直す必要がある」と首相を援護射撃した。さらに立憲民主党や共産党を念頭に、「一部野党の批判は筋違いだ」と牽制もした。

 首相は官房長官になる前から維新代表の松井一郎大阪市長らと信頼関係を築いてきた。維新には「俺らは菅派や」(幹部)との声も上がり派閥を持たない首相には心強い存在でもある。

 ただ、馬場氏が首相とのパイプをことさら強調したのは、都構想の住民投票が直前という事情もある。産経新聞などが23~25日に行った情勢調査では、賛成が43・3%、反対は43・6%とほぼ横並びとなり、予断を許さない状況だ。

 大阪選出の自民党の若手議員は、維新の思惑を見透かし、「維新は相当焦っているんやな。なりふりかまってられへんのやろ」と突き放した。(永原慎吾)

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