「人権フォーラム2017 in 兵庫 ハンセン病問題に関するシンポジウム」採録記事公開。

公益財団法人人権教育啓発推進センター
偏見や差別をなくし「共に生きる」社会へ

「ハンセン病」の患者や回復者、その家族が、病気に対する誤った認識によって、長い間、偏見を持たれ、差別を受けてきたことを知っていますか?2月4日に神戸市で、ハンセン病について正しく理解し、偏見や差別をなくすためのシンポジウムが開かれました。

【ハンセン病とは?】
ハンセン病は、「らい菌」に感染することで起こる病気です。手足などの末梢神経が麻痺し、皮膚にさまざまな病的な変化が起こったりすることがあります。しかし、らい菌の感染力は極めて弱く、感染することも発病することもほとんどありません。もし発病しても、適切な治療により後遺症を残すことなく治ります。

【幅広い世代と立場からハンセン病問題を考える】

厚生労働省、法務省などの主催で2005年から全国各地で開催しているこのシンポジウムは、今回で21回目。武庫川女子大学附属高等学校放送部の司会のもとで進められたプログラムは、親和中学校・親和女子高等学校コーラス部による美しいハーモニーで幕を開けました。

国立ハンセン病資料館の黒尾和久さんがコーディネーターを務めるパネルディスカッションには、ハンセン病回復者である屋猛司さん、宮良正吉さんらが参加。国立療養所長島愛生園(岡山県)でボランティア活動を行った大手前大学の学生も加わり、それぞれの立場から意見を交わしました。

後半では、沖縄と広島の高校生らが出演する演劇「光の扉を開けて」を上演。ハンセン病回復者のおばあさんとHIV(エイズの原因となるウイルス)に感染した高校生の交流を通じて、これらの病気に対する偏見や差別について考えてもらう内容の劇です。

フィナーレでは、各プログラムの出演者と客席の来場者が楽曲「世界に一つだけの花」を大合唱。すべての人が共に生きる社会の実現に向けて、思いを一つにしました。

【パネルディスカッション】

●いま私たちにできること
病気を正しく理解して周りに伝えて
国立療養所邑久光明園入所者自治会 会長 屋 猛司さん
ハンセン病はうつりにくく、感染しても治る病気です。難病などに苦しむ人にやさしい世の中にするため、ハンセン病だけでなく、様々な病気を正しく理解し、周りに伝えてください。現在は、全国の療養所を“負の遺産”として永久に保存する取り組みが行われており、邑久光明園は世界遺産への登録も目指しています。

●法律や運動が偏見・差別を促した
ハンセン病関西退所者原告団いちょうの会 会長 宮良 正吉さん
「らい予防法」による強制隔離政策は、ハンセン病患者を生涯にわたって療養所の中に閉じ込めるものでした。各県が競って患者を見つけ出す「無らい県運動」も偏見や差別を助長しました。二度と同じ過ちを繰り返さないためには、正確な知識を広めることが欠かせません。私もこの問題の語り部として普及啓発活動を行っています。

●一般市民も加わった強制隔離政策
社会福祉法人恩賜財団大阪府済生会
ハンセン病回復者支援センター コーディネーター
加藤 めぐみさん
強制隔離政策は、国や県だけでなく、一般市民も巻き込んで行われました。「ハンセン病は怖い病気だ」というイメージが植え付けられていたのです。いまでも偏見や差別は残っており、回復者や患者は病歴を明かしにくい状況だといえます。そのような人たちが安心して暮らせるよう、一人ひとりができることを考えましょう。

●遅すぎたらい予防法の廃止
弁護士 大槻 倫子さん
戦後間もなく特効薬が登場したことで、ハンセン病は治る病気になっていたのにも関わらず、患者を強制隔離する法律や運動は継続されていました。その後、らい予防法が廃止されたのは1996年のことです。ハンセン病問題を過去の話と捉えないことはもちろん、あらゆる偏見・差別を考えるきっかけにしてください。

●自ら学んで発信する立場に
大手前大学 総合文化学部2年
長谷川 亜衣加さん
上の世代が正しい知識を持っていなかったとしても、私たちが勉強して発信し、共有しなければならない問題だと思いました。

●前を向こうとした入所者
大手前大学 総合文化学部2年
三河 みずきさん
入所者の方々による証言ビデオの英語翻訳を手伝い、とてもつらい状況の中でも、よりよい生活を送ろうとされていたことを実感しました。

●「人」と「病気」を分けて見る
〈コーディネーター〉
国立ハンセン病資料館 学芸部長
黒尾 和久さん
国民は図らずも強制隔離政策を支持してきたわけで、いまも何かの偏見や差別に関わっているかもしれません。病気を理由に人を差別しないために「人」と「病気」を分けて見る必要があります。
[画像1: https://prtimes.jp/i/16181/4/resize/d16181-4-183490-0.jpg ]

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【演劇「光の扉を開けて」のあらすじ】
医師からHIVに感染していることを告げられたメグは、エイズに対する強い偏見と差別があることを知り、誰にも相談できずに不安な日々を送ります。そんな中、担任の知花先生に誘われて親友たちとともに訪れたのは、ハンセン病回復者である八重子おばぁの家でした。八重子おばぁは、幼い時に家族と離れて療養所に強制隔離されたことや、家族のために名前を変えなければならなかったこと、療養所では子どもを授かってはいけなかったことなど、壮絶な半生を語ります。そして、すべてを許して自ら希望を見出した八重子おばぁの生き方に、メグたちは心を動かされるのでした。
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[画像2: https://prtimes.jp/i/16181/4/resize/d16181-4-632559-1.jpg ]

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●人権アーカイブ・シリーズ
<わかりやすくまとめた映像で、ハンセン病をきちんと知ろう
「ハンセン病問題」~過去からの証言、未来への提言~>
ハンセン病問題の歴史的な経緯や時代ごとの社会情勢、問題の本質などについて、関係者の証言や解説をもとに分かりやすくまとめた映像。幅広い世代が学びを得られます。

https://youtu.be/eRKCmf-kcSw

<家族で考えるハンセン病>
実際のハンセン病問題の関係者も登場するドラマ作品。中学1年生の清香が友だちと療養所を訪れるなどして、ハンセン病問題や人権の大切さについて理解していきます。

https://youtu.be/cRCAIDCC3hs

● 法務省人権擁護局ホームページ http://www.moj.go.jp/JINKEN
●人権啓発活動ネットワーク協議会ホームページ http://www.moj.go.jp/jinkennet
● YouTube 法務省チャンネル https://www.youtube.com/MOJchannel
● YouTube 人権チャンネル https://www.youtube.com/jinkenchannel
●人権ライブラリー http://www.jinken-library.jp

法務省人権擁護局・全国人権擁護委員連合会

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