窮地・稀勢の里、小久保氏の講演で心に響く言葉 けがも「必要であって必然だ」

 連敗となれば初金星配給となるうえに、内容次第では今後の出場すら懸念される窮地だった。稀勢の里は「昨日は昨日。今日は今日」と切り替えに集中。盤石な内容ではないが勝ちきった。

 負傷を抱える左からおっつけるも、どこかぎこちなく、うまくねじ込めない。隠岐の海に巻き替えられそうになったが我慢。再度左を差し込み、右は抱えたまま体を密着させて寄り、横綱として国技館初白星を挙げた。

 4月27日に出席した日本相撲協会の研修会。野球の日本代表で監督を務めた小久保裕紀氏の講演を聴き、心に響く言葉があった。「必要であって必然」。けがも前向きに捉えることで、己にとって必要であり、必然であると思える-という趣旨だった。

 自らの置かれた境地と重ね合わせた稀勢の里は「なるほど、と思った」。初優勝し、横綱へ昇進した初場所からほぼ休みなく春場所へ突入しただけに「もしけがすることなく2場所連続優勝できていたら、その後の巡業でもっと大きな負傷を抱えたかもしれない。やっぱり今回のけがは必要であって必然だ」。

 後ろは振り向かず、再起への道を歩めた。治療に加え、原点に返り下半身と右腕を強化。「こういうときこそチャンス」と言えるまでになった。

 1勝1敗。3場所連続優勝へ挑む戦いは始まったばかりだ。「また明日しっかり」と視線を前に向けた。(藤原翔)

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ

    どう思う?

    「どう思う?」一覧