負傷の左使った!稀勢、土俵下で“ハプニング”もド根性1勝 夏場所

 大相撲夏場所2日目(15日、両国国技館、観衆=1万816)左上腕部、左大胸筋に負傷を抱えながら3場所連続優勝を目指す横綱稀勢の里(30)は、平幕隠岐の海(31)を寄り切って初白星を挙げた。「東の正位」に就いて初めて、相撲の「聖地」といわれる両国国技館でも初の白星となった。初日は負傷の影響を露呈し、機能しなかった「左」からの攻めもみせ、復調へ向けた兆しを垣間みせた。

 使ってみれば、使えた。意思があれば、願いも通じる。強烈という表現には遠いものの、負傷の影響を引きずる稀勢の里の「左」が仕事をした。

 「まぁ、いいんじゃない。大丈夫ですよ」

 3月の春場所終盤で負傷した左上腕部、左大胸筋の患部には、この日も厚いテーピングを施した。初日は小結嘉風の右おっつけにその左が封じられて完敗したが、今度は自らが動いた。

 立ち合い。横綱は十分の左差しを狙って、得意の左おっつけをみせたのだ。結局、おっつけ切れずに巻き替えて左四つに組み止めたが、“封印”は解けた。差した左かいなの返しも甘かったものの、深く差して体を密着。体格差で寄り切った。

 国内出身横綱として16年ぶりに番付の最上位「東の正位」に就いて初めての白星。横綱2場所目。東京場所初お目見えとなった横綱には、「聖地」国技館での初白星にもなった。「きょうは、今日。あしたは明日。また、しっかり集中して切り替えていく」。

 取組を待つ土俵だまりで控えていた際、2番前で取った大関照ノ富士が、関脇玉鷲に押し出された。187キロの巨体の尻が、稀勢の里の負傷部位を直撃するかたちで落下。あぐらを組んでいた横綱はあお向けに上体を反らせて表情をゆがめ、動けなかった。相撲への影響も心配されたが、支度部屋では「いろいろあるから。気がまぎれていいんじゃない」とほおを緩めた。

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