がむしゃら大逆転!稀勢、右足一本で残し逆襲の押し出し/夏場所

 大相撲夏場所3日目(16日、両国国技館、観衆=1万816)左上腕部、左大胸筋に負傷を抱え、左からの攻めに影響が出ている横綱稀勢の里(30)は、平幕千代の国(26)のスピードある動きに苦戦。厳しい体勢で俵に詰まりながらも、逆襲で押し出して2勝目を挙げ、白星を先行させた。4日目は平幕遠藤(26)と対戦。3場所連続優勝へ向け、平幕相手に星を落とさず序盤を乗り切る。

 5本の指が、熊手になった。右足の指先を「く」の字にして土俵をかむ。半身で反り返った上半身。俵にかかった右足一本。184キロの稀勢の里の全体重、押し出そうとする相手の圧力がその一点に押し寄せた。

 「何があるかわからない。最後までね」

 立ち合いで当たって挟みつけながら前へ出ようとする稀勢の里が、千代の国のいなしにバランスを崩す。右差し、左はずとなった相手が激しく寄り立てる。横綱は左から小手に振って一度はこらえたが、右半身に傾き、左足は宙に浮いたまま。俵にかかった右足一本で残す体勢となった。

 万事休す。ところが、そこを残して起死回生の逆襲へ。差し手を抜いて、引いてきた相手に体を預けるように押し込んだ。辛抱、辛抱、そして、逆転の15秒8。前のめりに倒れて腹には土俵の砂がべっとりとついたが、「(残した後も)いける感覚があった。まだ、若いからね。いい状態でいけている」。勝ち名乗りを受ける呼吸は、乱れていなかった。

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