張本&美宇、“卓球王国”の厚い壁を実感 荻村杯の結果は中国勢が本気になった証

 試練の時が訪れた。卓球のワールドツアー、荻村杯ジャパン・オープンで、世界選手権個人戦ベスト8の13歳、張本智和(エリートアカデミー)は、一般の部のシングルス予選3回戦で梁靖崑(中国)に敗れ、本戦出場を逃した。女子シングルス準々決勝では世界選手権個人戦銅メダルの平野美宇(17)=エリートアカデミー=が、世界ランキング5位の陳夢(中国)に完敗。ともに“卓球王国”の厚い壁にはね返された。

 張本は前回大会、21歳以下の部で優勝。世界ランクが1年間で190位から39位に上昇し、今年はシングルスの出場を一般の部に絞っていた。世界最高峰の中国スーパーリーグで昨季個人2位の難敵に対し、球足の速い攻撃に対応しきれず。「2、3年前は中国選手に負けて泣く(レベルの選手になる)なんて思えなかった」と悔し涙を流した。

 平野は球足の速い相手の攻撃に圧倒されて見せ場なく敗れた。陳夢とはストレートの快勝で優勝を決めた4月のアジア選手権決勝以来の対戦だったが、「チャンスはなかった。中国に追いついてきたかなと思ったけれどやっぱり中国は強い」と実力差を痛感した。世界選手権個人戦準決勝で顔を合わせた世界1位の丁寧に続き、アジア選手権で倒した中国勢に連敗。“本気”になった王国の強さを見せつけられる形となった。

 日本は打倒中国を掲げ着々と強化を進めてきた。2008年に東京・北区に味の素ナショナルトレーニングセンターが完成。同年にエリートアカデミー事業が開始され、実業団中心から、協会主導の一貫した強化が可能になった。ともにエリートアカデミーに所属する2人は、その成功例といえる。昨年からは小学4年生以下の有望選手とその指導者を対象にした合宿も始まっており、第二の張本、平野が現れる可能性は十分にある。

 とはいえ選手層の厚さは中国にはまだまだ及ばない。張本と平野が荻村杯で苦杯をなめた結果は卓球王国のメンツをかけ、対策に本腰を入れてきた証明といえるだろう。3年後の東京五輪へ、一進一退を繰り返しながら、中国一強の状況に風穴を開けてほしい。

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