【魅惑アスリート】リオ・パラリンピックで舞った義足ダンサー、大前光市「人の可能性を伝えたい」

 勢いよく宙を舞い、軽やかなステップを披露した。2020年東京五輪・パラリンピックに向け、大会機運を盛り上げる役割を担う「しながわ2020スポーツ大使」となった義足ダンサーの大前光市さん(38)。6月27日にスクエア荏原ひらつかホール(東京都品川区)で行われた任命式で、「人の可能性を伝え、障害に対する捉え方を変えていきたい」と抱負を語った。

 自らを「かかしのダンサー」と呼ぶ。中学時代、卒業生を送る会の演劇で主役を務め、舞台に興味を抱いた。17歳からダンス教室に通い始めた。プロダンサーとなる夢をかなえ、希望に満ちあふれていた24歳の時、飲酒運転の車にはねられた。左膝下を切断し、脳を突き刺すような激痛にたびたび見舞われた。「なんで神様はこんなに僕を苦しめるのか」。何度も涙を流し、言葉にならない奇声を発した。

 「運が悪かったね」「今の君は必要ない」-。周囲の言葉がさらに自分を苦しめた。ダンスの仕事をほぼなくした。さまざまな仕事に就いたが、何度もクビになったという。そんな生活を10年続けながら、それでも少しずつ踊れるようになってきた。もう一度スポットライトを浴びる舞台へ-。片足でも踊り続けるために、ヨガや武道、新体操など幅広いジャンルの動きを学んだという。大好きなダンスが再び、人生を変えた。

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