阿炎が恩返しの金星 付け人を務めた鶴竜を撃破し、2場所連続の金星に「泣いちゃった」

 阿炎(あび)は涙をこらえきれなかった。先場所の白鵬に続き鶴竜からも金星を挙げた。幕下時代に鶴竜の付け人を1年ほど務めており「感謝、恩返しの気持ちしかない。勝った瞬間は涙を我慢したけど、花道を過ぎて泣いちゃった」と感極まった。

 「攻めて負けたら仕方がない」と腹をくくり、持ち味のもろ手突きで挑んだ。あてがって出てくる横綱の圧力に押し込まれこそしたものの、辛抱強く攻め続けた。我慢しきれなくなった鶴竜の引き技に乗じて一気に突き出した。

 土俵内外で手本にしてきた横綱だ。1日300回の腕立て伏せを助言されれば従った。「焼き肉屋で野菜を食べる意味が分からない」と話していたのを聞くと、肉好きということもあって「まねしています」と、いたずらっぽく笑う。

 勝ってもおごらず、負けてもいらだちを見せない、横綱の穏やかな人柄を見続けてきた。「人に当たらないし、負けても丁寧に取材に応じるすごい人」と人間性に魅了され、「見習っていけば自分も変われると、バカなりに考えてやってきた」と振り返った。

 「横綱の付け人時代がなかったら、相撲をやめていたかもしれない」というほど感謝する恩人からの白星は「一つの大きな夢だった」。幕内上位定着を目指す24歳。忘れられない白星をきっかけにさらなる飛躍を期す。(奥山次郎)

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