塚原強化本部長と東京五輪強化プロジェクトへの不信感 体操パワハラ問題、迷走の背景

 選手が体操界の重鎮のパワハラを告発した異例の問題は「パワハラなし」との結論に至った。

 では、宮川は嘘を付いていたのか。なぜ、こじれた事態になったのか。第三者委員会は今回の問題の背景に、塚原千恵子強化本部長と2020年東京五輪強化プロジェクトへの不信感があったと指摘する。

 同プロジェクトに当初参加していなかった宮川は、ナショナルトレーニングセンター(NTC)の利用や国際大会への派遣などで不当な扱いを受けたと主張していた。

 その点について第三者委は「強化本部長の権限のみでNTCの利用に制約を課し、十分な説明もせずに東京五輪強化対策の優遇措置をルール化していった」「強化本部長が主体となってメンバーを決定し、常務理事会で決定が尊重されていたが、選考過程が見えないことから東京五輪強化対策の不当な優遇措置との認識を生じさせた」などと分析。これら制度設計や選手、指導者への説明を塚原強化本部長に全て委ねてしまった日本協会のガバナンス不備についても強く指弾した。

 これを区切りに、今まで通り再出発という訳にはいかないだろう。

 塚原夫妻の名誉回復、宮川へのフォロー、選手や指導者に丁寧に説明できる仕組みの構築など、多くの課題が残っている。(宝田将志)

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