大学選手権優勝の明大ラグビー部監督 田中澄憲さん

【きょうの人】

 初雪もちらついた寒空の東京で、小柄な体が3度宙を舞った。自身が明大3年だった平成8年度以来の大学日本一を監督就任1年目で達成。「22年優勝できなかったが、多くの方々に応援し続けていただいて今日がある。連覇を重ねられるようなチームを作っていきたい」。紫紺の応援旗があちこちではためくスタンドへ力強く宣言した。

 主将も務めた明大やサントリーでSHとして活躍し、15人制だけでなく7人制でも日本代表を経験。現役引退後はサントリーで採用担当やチームディレクターなどを務めた。

 29年、当時の丹羽政彦監督から「手伝ってもらえないか」とヘッドコーチ就任を要請され、低迷していた母校の立て直しに着手。日本一を本気で目指す気構えを植え付け、昨年度はチームを19大会ぶりの大学選手権決勝に導いた。

 だが決勝では9連覇した帝京大に1点差で惜敗。今年度から監督に就任すると「最後に勝ちきれないメンタル面をどう鍛えるか模索した」。複数のリーダー制を採用するなど、選手の自立を促す策を練り上げた。関東対抗戦で3位に甘んじると、部の精神を象徴する故北島忠治元監督の言葉を持ち出し、「『前へ』はプレースタイルというより生き方や哲学。状況から逃げずに進んでいこう」とハッパをかけ、チームを上向かせた。

 「メイジは常に優勝を狙うチームじゃなきゃいけない。自信を持って社会に出ていく人間になってほしい」との思いで、部員と向き合う43歳。毎朝4時半起床、午後10時すぎに帰宅の多忙な日々が報われた。(奥村信哉)

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