渋野日向子の“武器”スマイル 科学的にもパフォーマンス向上の研究結果 専門家「プレーに良い影響与える循環作る」

 全英女子オープンを制し、一躍スターの仲間入りした渋野日向子(20)。海外メディアが「スマイル・シンデレラ」と名付けたようにプレー中の笑顔が目を引いたが、科学的な見地でも笑顔にはスポーツ競技のパフォーマンスを向上させるという研究結果もある。専門家は「ビジネスや日常生活にも応用できる」と解説する。

                  

 緊迫した優勝争いでも笑顔を絶やさず、対戦相手やファンに接し続けた渋野。米紙USA TODAY(電子版)は、対戦相手のプレーにも力強く拍手を送る姿を「こんな選手は見たことない」と絶賛した。

 6日の帰国会見でも「ゴルフは見せるスポーツなので、心の底からの笑顔を心がけた」と明かした渋野だが、実は笑顔は科学的にもパフォーマンスに良い影響を与える可能性があるという。

 スポーツ科学に詳しい追手門学院大学の辰本頼弘教授は2017年に「笑い」と「身体能力」の関係を研究した論文を発表した。

 論文によると、大学の女子サッカー部で、監督が選手16人について、明るさやチームへの声かけに着目した「笑い」と、体力や技術を総合的に判断した「身体能力」の2項目でそれぞれ順位付けしたうえで統計分析したところ、「笑い」と「身体能力」との順位の間に相関関係が認められたという。

 また、「笑い」の順位と、特定の1日におけるウェイトトレーニングの成果についても分析したところ、主に下半身を使って重量を挙げる「レッグカール」や「レッグプレス」という一部の項目で、「笑い」の順位が高い部員ほど高い成果を上がるという相関関係も認められたとしている。

 辰本氏は夕刊フジの取材に「スポーツにおける『笑い』は主に喜びから生まれるもの。良いプレーに対する笑顔は、次のプレーにも良い影響を与える循環を作る。特に個人競技では、笑顔は自分自身を鼓舞して緊張を緩和させるほか、笑顔に対する観客の反応から力をもらうきっかけにもなる」と解説する。

 スポーツに限らず、日常生活やビジネスの場面でも、「笑顔は相手の警戒を解くなど重要な役割を果たす」と指摘するのは対人コミュニケーションと表情の関係などを研究する浦和大学の益子行弘講師。

 「いわゆる『ほほ笑み』は初対面の相手の警戒を解く。ある程度打ち解けた段階で意識的に強い笑顔を見せることで、相手に心を許しているとアピールする効果も期待できる」と続ける。

 益子氏は「たとえ『つくり笑顔』でも、自分自身をリラックスさせるなどの効果は期待できる。特に日本人は笑顔が苦手だとも言われていて、意識的に口角を上げるため割りばしを加えるといった笑顔のトレーニングも重要だ。笑顔は周囲に波及し、リラックスした空気を生み出す効果を持つので意識して練習してみてほしい」とアドバイスする。

 ここぞの場面こそ笑顔で臨みたいところだ。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ