渋野日向子が危ない? 周囲の期待で抱える“シンデレラ・ストレス” 重鎮・中嶋常幸も不安指摘

 体調不良の原因は、やはりストレスもあるようだ。全英女子オープンを制し人気急上昇中の渋野日向子(20)は「ニトリレディス」(29日開幕=北海道小樽CC)に参戦。急性副鼻腔炎の発症で出場が危ぶまれながら、28日のプロアマ戦からトレードマークの屈託のない笑顔をみせたが…。(塚沢健太郎)

 2週ぶりのツアー出場となる渋野はプロアマ戦で、昨年ノーベル医学・生理学賞を受賞した京大の本庶佑特別教授(77)、ニトリの似鳥昭雄会長(75)、中嶋常幸(64)とラウンド。

 別の組にも小泉純一郎元首相、プロ野球の中畑清前DeNA監督、東尾修元西武監督、歌手の五木ひろし、司会者の徳光和夫、俳優の石田純一ら豪華な顔ぶれがそろっていた。

 その中で、名うてのエンターテイナーも舌を巻く渋野のホスピタリティー(接客、おもてなし)は際立っていた。笑顔を絶やさず、話題豊富に参加者に対応する姿は体調不良を感じさせなかった。

 中畑氏は渋野を「みんなに愛されるキャラクター。ちょっと俺とかぶっているところもあるけどな(笑)」と称賛。明るくサービス精神旺盛なところは共通する。

 「ファンサービスはできそうで、できない。辛いときもあるし。でも(渋野は)プロフェッショナルで、自分を押し殺してでもそれに徹することができる。その意識は見習うべきだと思う。(表彰式までのわずかな間も)雨の中でパターの練習をしていた。そういう努力が実を結んでいく」と感心しきりだ。

 同組で回った本庶氏は「大変人柄もいいし、とにかく楽しいゴルフでした。(プレーは)球が曲がらない。ときどき右に行っていたけど極端なのはない。パターはほとんどショートしない。届かなければ入らないけど、実はみんなショートする。なかなか日本にはいない」とプレーの安定感も合わせて絶賛。

 今回のラウンドは本庶氏からの指名だが、渋野が今月の全英女子を優勝したからではない。5月の『ワールドレディスサロンパス杯』で優勝したプレーを見て「これは有望だと思って、6月にニトリさんから話があったときに、彼女にしたんです」と言うのだから、ノーベル賞博士の慧眼はさすがだ。

 本庶氏といえば、熱狂的な阪神ファンとしても知られ、昨年10月の受賞直後、タイガースの再建策について「まず、指揮官の交代です」と発言。そこから一気に金本前監督の退任の流れができあがっていった感さえある。そんな辛口の博士も、渋野に関してはベタほめするばかり。

 驚いたのは男子ツアー48勝の中嶋常幸も同じだった。女子のプロアマには今回が初出場。会場入りすると、駆け寄ってきた渋野に「『今日一緒に回るのでよろしくお願いします』と握手されて、あれでハートをつかまれてしまいました。女子のプロアマがこんなに楽しいと思わなかった。心配りが一番の素なんでしょうね」ともはやメロメロ。

 「完璧です。ゴルファーとしても、人間としても素晴らしい。技術的には何も言うことはないぐらい完成されているが、もっと伸びそうな感じがしました。教えることなんて何もない。こっちが教えてほしいぐらい」

 女子ゴルフは、プロアマでの選手のホスピタリティーを徹底しており、これが試合数増加にもつながっている。その中でも渋野の姿勢はズバ抜けている。

 ただ、“スマイルシンデレラ”の冠をいただいた渋野の気疲れは想像以上のものがあるようだ。

 中嶋は「石川(遼)君もそうだけど、期待を敏感に感じ、期待に応えたい気持ちも強いタイプだから、いらない鎖を身体に巻いてしまう。ある程度自分を自由にしないと。期待に応えようとすると、ドンドン息苦しくなる」と不安も指摘した。

 確かに、渋野は前日27日には急性副鼻腔炎による38度5分の発熱で、練習ラウンドをキャンセル。医師はストレスを一因に挙げたという。

 渋野は「休み中に免疫が下がっていたので、そのときかと。ストレスは…たまっているのかな? まぁ疲れますよね」。

 前週は出場せず、故郷の岡山で静養。「寝てました(笑)。見ていなかったので全英の3、4日目のビデオは見ました。『やべ~な、この人』って(笑)。夜ご飯を食べに行くときだけ、外に出る日が多かった。あの生活、本当にうらやましい。ニートになりたいと思いました(笑)」と“しぶこ節”を連発した。

 全英女子から帰国直後の2戦と比べると、報道陣も落ち着いた感もある。シンデレラストーリーの次なる展開を期待されているが、くれぐれも過労になりませんように…。

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