近本よ虎党喜ばせろ!阪神・矢野監督が“青空ゲキ”

 阪神は20日、甲子園で指名練習を行い、21日の広島戦(甲子園)に備えた。練習中、矢野燿大監督(50)はリーグトップ34盗塁のD1位・近本光司外野手(24)に“青空ゲキ”。クライマックスシリーズ(CS)進出が崖っ縁となるなか、「新人王&盗塁王」のタイトル奪取に向け、指揮官のテーマであるファンを喜ばせる積極的野球を求めた。21日先発の西勇輝投手(28)は2桁勝利と自己最多投球回更新を誓った。

 さらに加速し、シーズンを駆け抜けてもらうために。ここで呼び止め、伝えたいことがあった。秋の涼しい風がそよぐ青空の下、緑の芝生の上で矢野監督と向き合った。濃密な時間に交わした会話を、すがすがしい表情で、近本が振り返った。

 「盗塁のことですね、きのう(19日)の。捕手目線もそうですし、大まかにいうと矢野監督がいつも言われている『誰かを喜ばせる』だったり、『積極的野球』ということですね」

 バッティング練習が始まった午前11時25分。中堅での守備練習に向かった近本に、清水ヘッドコーチと筒井外野守備走塁コーチ、そして指揮官が歩み寄った。

 34盗塁はリーグ単独トップ。しかし19日のヤクルト戦(甲子園)では六回1死一塁で二盗を失敗し、リーグワーストタイ15度目の盗塁死。2位につける山田哲のタッチで「2差」に引き離すチャンスを摘み取られていた。その反省も踏まえ、約15分間に渡って、走りについて語り合った。

 近本は「準備とか。スタートを切る、盗塁をする材料をどれだけ集められるか」と説明。前夜、長嶋茂雄(巨人)のセ・リーグ新人安打記録を61年ぶりに塗り替え、「154」を打ち立てた。もっと突っ走れる。矢野監督も「タイトルを取れる人は狙えばいい。またそれをファンの人が楽しみにしてくれている部分でもあるのでね。それがチームのためにもつながる」と指令した。

 このまま盗塁王となれば、阪神での打撃部門のタイトル獲得は2014年のマートン(首位打者、打率・338)&ゴメス(最多打点、109打点)以来。さらに、2001年の赤星憲広が持つ39盗塁の球団新人記録まであと5。虎党を喜ばせる、最高のギフトになることも間違いない。

 21日に広島に負ければCS進出の可能性が完全消滅する。矢野監督が「もちろん毎日勝ちたいと思っているしね。全部勝たないアカンという条件もある」と闘志を見せれば、近本も「可能性があるので、しっかり残り全部勝っていきたい」と呼応した。この日の練習ではフリー打撃で36スイング中フェンス直撃4本。鋭い打球を飛ばし、終始明るい表情だった。

 チームを引っ張るために、ぶっちぎる。「新人王」も「盗塁王」も、あとからついてくる。(長友孝輔)

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