しぶこ逆転V!鈴木愛の4連勝阻止、賞金女王へ夢つないだ/国内女子

 大王製紙エリエールレディス最終日(24日、愛媛・エリエールGC松山=6580ヤード、パー72)首位と2打差の7位から出た賞金ランク3位の渋野日向子(21)=RSK山陽放送=が6バーディー、ボギーなしの66と伸ばし、通算19アンダーで逆転優勝した。今季国内ツアー4勝目。同じ7位から出た同ランク1位の鈴木愛(25)=セールスフォース=は1打差の2位。ライバルとの“直接対決”を制した。しぶこが、28日開幕の今季最終戦「LPGAツアー選手権リコー杯」(宮崎CC)に、史上最年少での賞金女王の可能性をつないだ。

 シンデレラストーリーはまだ終わらない。ハッピーエンドに向け、渋野が重い扉をこじ開けた。

 「ずっとバッグを担いでくれているキャディーの(定由)早織さんが泣いていたので…。もらい泣きです。先週の予選落ちは無駄じゃなかったですね」

 2日連続のボギーなしで、2打差を逆転。1週間前は約8カ月ぶりの予選落ちに悔し涙したが、今度は勝って泣いた。

 首位の森田遥を追い、最終組の2つ前から出た。ツアー史上初の4週連続Vを狙った、賞金ランク首位の鈴木も同じ2打差の7位で、同組でのラウンド。渋野にとってパットの名手である鈴木は目標で、かつてこんな話をしたことがある。

 「元々、私はパットが下手くそ。でも、教えてもらうなんてとんでもない。練習グリーンとかでずっと愛さんのパッティングを見て、勉強していました」

 背中を追ってきた存在と、最終日では4度目となる“直接対決”で、初めて勝った。残り105ヤードをピン3メートルにつけた10番(パー4)、2オンに成功した11番(パー5)の連続バーディーで抜き去り、4メートルを沈めた15番(パー4)で単独首位に浮上。

 18番(パー4)ではプレー中に雨、風ともに激しくなったが「フォローの風でよかった」。その頃、1打差で追っていた最終組の森田は17番(パー5)で強烈な逆風に苦しみ、5オン1パットのボギーで後退。10分足らずの天の気まぐれも味方につけた。66で回って鈴木を1打しのぎ、今季4勝目のゴールだ。

 久しぶりに試合のなかった1週間前の日曜日。自宅のある岡山市で地元の人たちとふれあい「自分が勝つことで、たくさんの人が喜んでくれる。そのことを実感した」。

 賞金ランクは3位のままだが、鈴木との差を約1511万円に詰めた。2位・申ジエとは約12万3000円差で、28日開幕の今季最終戦へ。ラスト2週で連続優勝して逆転女王を決めれば、ツアー史上初の快挙となる。

 「それは考えない方がいいかな。考えないようになったら、この結果なんで」

 ミラクル戴冠へ-。壁は高く、厚いほど見る者は期待する。シンデレラの魔法はまだ解けない。 (臼杵孝志)

★単独2位が最低条件

 最終戦「LPGAツアー選手権リコー杯」の優勝賞金は3000万円で32人が出場予定。賞金ランキング1位の鈴木を1511万1351円差で追う同ランキング3位の渋野は、鈴木、同ランキング2位の申ジエより上位となる単独2位以上が最低条件。優勝しても鈴木が単独2位(賞金1740万円)ならば逆転できない。渋野が単独2位の場合は〔1〕鈴木が3人以上の9位タイ以下〔2〕申ジエが3位(賞金1200万円)以下が条件となる。

■データBOX

 ◎…渋野は今季国内ツアー4勝目。1988年のツアー制度施行後、日本勢でルーキーイヤーでの達成は宮里藍以来2人目。

 ◎…1988年のツアー制度施行後、最終戦の優勝で逆転女王を決めたのは過去に1995年の塩谷育代、2004年の不動裕理、08年の古閑美保、09年の横峯さくらの4人。2週連続優勝での戴冠はなく、渋野が達成すれば初の快挙。

 ◎…1988年のツアー制度施行後、最年少の賞金女王は2007年の上田桃子で21歳156日。次いで10年のアン・ソンジュ(23歳82日)、96年の福嶋晃子(23歳148日)。渋野が今季最終戦で逆転賞金女王になると、21歳16日。

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