“パワハラ追放”栄監督を呼び戻す至学館大レスリング部の窮状 後任が力不足で退職&教え子と婚約発覚

 昨年6月に教え子へのパワハラ問題で“追放”も、19日開幕のレスリング日本選手権から現場に復帰する至学館大・栄和人監督(59)。数多くの金メダリストを育てた元全日本女子ヘッドコーチの返り咲きに、賛否両論が渦巻いている。

 「至学館大の監督として選手のためにとにかく頑張る。それだけです」

 18日に都内で行われた監督会議に、ニット帽を目深にかぶるなど目立たない格好で登場した栄監督は、約1年半ぶりの取材に神妙に応じた。

 東京五輪の代表選考を兼ねた今大会。教え子が活躍すれば、また五輪本番に携わるチャンスも出てくるが、「今は大学の方だけ。今のところは…。とにかくしっかり強化して頑張りたい。試合に集中して、試合が終わってから取材に応じます」。そう言い残すと、足早に会場を後にした。

 昨年、教え子の1人で前人未到の五輪4連覇中の伊調馨から、パワハラの告発を受けた。ワイドショーが連日、報じたこともあって騒動は拡大を続け、4月に協会の強化本部長を引責辞任。8月には大学も退職した。

 ところが、12月には大学の外部コーチとしてひっそり復帰。それから1年もたたずに監督復帰が発表された。早期復権の背景として、自身の退職後に“事実上の監督”を任された、志土地翔大氏(32)の「力不足」を指摘する声がある。

 レスリング関係者は「練習量がモノをいう競技なのに、栄氏が去ってからは半分以下に減って、選手の成績も右肩下がり。9月の世界選手権でもそれが露呈した」と指摘。大会後に「一身上の理由」で至学館大を去ったが、11月になって教え子との恋愛関係が発覚。女子53キロ級で東京五輪出場を決めた、向田真優(22)と婚約したことが明らかになった。

 「公私混同した上に結果を出せない監督に、選手はついてこない」と厳しい声が上がる一方で、栄氏の復帰も歓迎できない複雑な思いが現場にはわだかまる。五輪本番が7カ月後に迫る中、ぐらついたレスリング界を短期間で立て直すには、やはり「メダル請負人」の力に頼るしかないのか。(山戸英州)

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