宇野、逆転4連覇!羽生に勝つことは「スケート人生の目標だった」

 フィギュアスケート全日本選手権最終日(22日、国立代々木競技場)世界選手権(来年3月、カナダ・モントリオール)代表選考会。男子はショートプログラム(SP)2位の宇野昌磨(22)=トヨタ自動車=がフリー1位で逆転して合計290・57点で4連覇し、日本スケート連盟の選考基準を満たして代表に決まった。SP1位の羽生結弦(25)=ANA=はフリー3位にとどまり、282・77点で2位。来年からアイスダンス転向の高橋大輔(33)=関大KFSC=はシングル最後の演技を終え、204・31点で12位だった。

 吹っ切れた男は強い。7本全てのジャンプをなんとか着氷させた宇野は、演技後に両手を広げてセーフのポーズを作った。こらえた先に全日本4連覇が待っていた。

 「信じられない。(羽生に勝つことは)スケート人生の目標だった。一度でもいいから羽生選手に勝ってみたいというのが五輪よりも大きな目標だった」

 非公認ながら合計で今季自己最高の290・57点をマーク。直接対決で一度も勝ったことのない羽生をフリーで逆転した。過去3度の優勝は全て羽生は不在。真の全日本王者となった。

 冒頭の4回転フリップ、続く4回転トーループ、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)と、耐える形で降りるたびに、にやりと笑った。「(着氷できて)よかったという気持ちを隠さずに顔に出していこうと思っていた」。スケートを楽しみたい。純粋な思いがそうさせた。いつもなら数えてしまうという失敗の数も「きょうは忘れていた」というほど演技に熱中した。

 2018年平昌冬季五輪で銀メダルを獲得。周りの期待は想像以上に膨らんだ。「もっと強く、もっとうまくならなければ」。自分への要求が22歳を苦しめた。メインコーチ不在で挑んだ今季は、シニアデビューから4年続いていたグランプリ(GP)ファイナル出場を初めて逃すなど、本来の力を発揮できずにいた。しかし、8位と惨敗したGPシリーズ第3戦フランス杯後に来季から正式にコーチを務めるステファン・ランビエル氏の指導を受け「スケートを楽しみたい」とあるべき姿に気がついた。

 「世界選手権に向けて(試合が)楽しみだと思う準備をしたい」。どん底からはい上がった男のすっきりとした表情には強さがあった。「五輪よりも緊張する舞台」と語る全日本選手権での優勝を糧に、世界の舞台でも笑顔で舞う。(武田千怜)

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