羽生、主要国際大会のタイトル完全制覇に笑顔

 フィギュアスケートの四大陸選手権最終日は9日、ソウルで行われ、羽生結弦(ANA)が初優勝した。

 「フリーは満足な演技ができなかったけど、何とか勝つことができた」。国際オリンピック委員会(IOC)のインターネットテレビ「五輪チャンネル」が“スーパースラム”と呼ぶ五輪、世界選手権などジュニア、シニアの主要国際6大会完全制覇の快挙を男子で初めて果たし、会場インタビューで笑顔がはじけた。

 世界歴代最高得点を更新したSPとは一転、フリーは完璧とはいかなかった。公式戦では平昌五輪以来となる「SEIMEI」は、演技直前のリンクで氷の一部が削れているアクシデントに見舞われた。自ら訴えて整氷されたが、「気が散った状態」と集中し切れないままで幕が開けた。

 その状況で冒頭が公式練習で苦しんだ4回転ルッツ。何とか回り切ったが、着氷が大きく乱れた。後半に2本組み込んだ4回転トーループも2本目が転倒。1月に変更を決断し、急ピッチで仕上げたプログラムに、「まだ滑り込めていない」と課題を口にした。

 SP曲「バラード第1番」は通算4季目、SEIMEIも同3季目。フィギュアでは異例の多用だが、バレエやオペラを例に挙げて「語り継がれるものは何回もやるじゃないですか。自分も(フィギュアで)もっと極められる。そういう道にいてもいいんじゃないか」との持論を展開した。

 平昌五輪で2連覇を果たした曲の“再演”は「自分の最高の状態と比べられるので、めちゃくちゃこわい。でも、それよりも上にいけるようにと考えている」。主要国際大会のタイトル完全制覇の王者が見据えるのは、一つのプログラムを掘り下げて深みを出すという新たなフィギュアスケートの形だ。(田中充)

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