米国経由の外遊、蔡英文総統の「ステルス対応」があぶり出した中国の強硬圧力

 【国際情勢分析】

 台湾の蔡英文総統(60)は7~15日、中米4カ国を訪問した。ただ、関心はそれよりも経由地、米国での蔡氏の言動に集まった。ドナルド・トランプ次期米大統領(70)が「一つの中国」原則に疑義を唱えたためだ。だが、蔡氏は徹底して控えめに行動する優等生的な「ステルス対応」で臨んだ。対照的に中国は、声高に「一つの中国」を振りかざして干渉を試みる姿勢が際立ち、蔡氏がかえって得点を稼ぐ形となった。

異例の気遣い

 総統府が、台湾と外交関係のあるニカラグアなど4カ国の外遊日程を発表したのは昨年12月20日。通常なら、経由地として想定される米国の都市名まで発表するはずが、「調整中」を理由に米国かどうかまで明らかにしなかった。

 蔡氏がトランプ氏と当選祝いの電話をしたのは同月2日。直後に政権与党、民主進歩党に近い自由時報が、蔡氏がニューヨークに立ち寄り、レインス・プリーバス次期首席補佐官(44)との会談を計画していると報じた。外交部(外務省に相当)は、ニューヨーク訪問の計画はないと否定したが、トランプ氏陣営と接触するのではという観測は消えなかった。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ