対馬の盗難仏像判決 文化庁「返還求めていく」 重文指定後30件不明

 韓国の大田(テジョン)地裁が、長崎県対馬市の観音寺から盗まれた仏像を韓国の寺に引き渡すよう命じた判決を受け、文化庁幹部は「大変残念だ。外交ルートを通じて返還を求めており、今後もその姿勢に変わりはない」と話した。

 長崎県教育委員会によると、観音寺から盗まれた観世音菩薩坐像は像内から発見された文書に「高麗国瑞州浮石寺」「天暦三年(西暦1330年)」などの記述がある。ただ、今回所有権を主張している韓国の浮石寺と同一の寺かどうかや、観音寺に渡った経緯を示す手がかりは見つかっていない。一方、この像とともに対馬市の海神神社から盗まれた国指定重要文化財の銅造如来立像は所有権を主張する寺などがなく、平成27年7月に返還された。

 仏像などの文化財は小規模な寺社に安置されているケースが少なくないため、防犯が課題となっている。文化庁によると、国宝や重要文化財に指定した仏像、絵画、刀などの美術工芸品で所在不明は172件(27年度末時点)。うち30件が盗難により行方が分からなくなっている。

 27年には全国の寺社に油のような液体がまかれた事件も起きており、文化庁は都道府県教委に対し、所有者への注意喚起や防犯カメラ設置などへの補助事業の周知を繰り返し通知している。

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