暴走する北朝鮮 中国・環球時報紙 金正男氏の死「影響力なく地政学的な衝撃もたらさない」

 金正男氏の殺害事件に関して、中国の官製メディアは抑制的な報道に終始している。唯一の例外が中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報。だが、その論評はどこか歯切れが悪い。

 15日付の同紙は、事件の背景が明らかにされていないと断った上で、北朝鮮の名指しは避けつつ、「政治ルールが確立されていない地域では近年、政治的背景のある人物への暗殺が発生している。こうした事件は例外なく非難を受けた」と言及。北朝鮮側に何らかの釈明を行うよう促した。

 ただ16日付の論評では、正男氏は政権中枢から追い出されて影響力もなかったとし、「彼の死が地政学的な衝撃をもたらすことはない」と断定した。中国が計画的に正男氏を庇護(ひご)していたとの各国当局やメディアの分析に対し、「中国をこの事件に巻き込む意図がある」と警戒感も示した。

 習近平指導部は、中国が長年庇護してきた正男氏の排除に、内心穏やかではないはずだ。ただ、正男氏は近年、中国当局と距離を置いていたとみられる。殺された正男氏とのつながりが前面に出れば、中国政府はメンツを失いかねない。ネット上の世論は正恩氏への圧力を求める声が目立っており、事件に注目が集まることは中国当局にとってマイナス要素が大きいといえる。

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