トランプ政権 大統領選への露介入疑惑、下院委の究明が暗礁に 共和委員長が調査「妨害」

 【ワシントン=黒瀬悦成】昨年の米大統領選にロシアが介入した問題にトランプ大統領の関係者が関与したかどうかを究明するための下院情報特別委員会の調査が暗礁に乗り上げた。調査を主導するニューネス委員長(共和党)が政権の意向をくんで調査を混乱させるかのような行動を繰り返し、与野党から調査を外れるか委員長を辞任するよう求める声が噴出しているためだ。

 ニューネス氏は3月22日、外国の監視対象の動向を探っていた米情報機関がトランプ氏や側近との通信を傍受したと突然発表し、詳細を委員会に説明する前に同氏に直接報告した。トランプ氏は、これが「オバマ前大統領に電話を盗聴された」とする、自らのツイートを裏付ける情報だと主張している。

 ニューネス氏は翌日、同委に謝罪。しかし、米紙ニューヨーク・タイムズは30日、同氏がトランプ氏と会う前日にホワイトハウスの敷地内で2人の政権高官とひそかに会い、通信傍受の情報を得ていたと報じ、本人の中立性が強く疑われる事態となった。

 情報の詳細は明らかでないが、政権がトランプ氏に不利にならないよう調査を誘導するため、政府の機密情報を正規の手続きを経ずにニューネス氏に流した疑いも浮上。同委のシフ筆頭委員(民主党)は30日、政権による一連の行動を「深く憂慮する」と述べ、ホワイトハウスから直接の事情説明に応じるとした。

 ニューネス氏はトランプ氏の政権移行チームでアドバイザーを務めるなど、同氏寄りの人物として知られる。しかし、情報特別委は情報機関を監視・監督する役割を担うことから共和・民主両党が超党派で運営する原則があり、今回のような事態は前代未聞だ。

 一方、下院と同様にロシアの介入問題を調査している上院情報委員会のバー委員長(共和党)は29日、トランプ大統領の長女イバンカさんの夫で大統領上級顧問のジャレド・クシュナー氏ら約20人に事情聴取を要請したと発表した。

 同委のワーナー副委員長(民主党)は30日に開いた上院の公聴会で、下院での混乱を念頭に「信頼性と透明性を確保し、超党派で調査を進める」と強調した。

 また、ウォールストリート・ジャーナル紙は30日、先に更迭されたフリン前大統領補佐官(国家安全保障)が、ロシアとトランプ氏周辺との関係について捜査している連邦捜査局(FBI)に対し、免責を条件に事情聴取に応じることを決めたと報じるなど、波紋はさらに広がりそうだ。

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