米中首脳会談 夕食会に届いたシリア攻撃の一報 米軍ミサイルが北朝鮮を襲う近未来図が習氏の脳裏をよぎった?

 【パームビーチ=山本秀也】米軍のシリアへのミサイル攻撃が6日、米中首脳の夕食会とほぼ同時に行われたことで、習近平国家主席は、トランプ大統領との会談議題である北朝鮮の核・ミサイル開発阻止をめぐっても、同様の結末が中朝国境を流れる鴨緑江の対岸で現実に起き得ることを認識せざるを得なくなった。

 和やかな宴席が衝撃の舞台に急転した例は、中国の史書に多く登場する。明の永楽帝が帝位を奪取したクーデターも朝廷の役人と宴会中に突然、役人を斬殺したことが始まりだった。

 米中首脳の夕食会は予定通り終了したが、習氏の心中はどうだったか。北朝鮮の弾道ミサイルが北京なども射程に収め、朝鮮労働党指導部が中国に反感を抱く現状は、中国の安全保障を脅かすレベルだ。

 外交筋は「この状況認識が準備不足の中で対米会談に応じた主な理由だ」と指摘する。ただ、中国が北朝鮮への米軍攻撃を認めれば、同国を緩衝地帯としてきた朝鮮戦争以来の安保指針が揺らぐ。

 訪米に先立ち、習氏は「主権や領土、核心的利益の相互尊重」を表明。訪米を前に強硬手段への難色を米側に示唆した形となっていた。北朝鮮問題で、会談では米の強硬策と中国の実効的な制裁をめぐる米中の駆け引きが見込まれる。

 米のシリア攻撃という「宴席の衝撃」は、中国の態度硬化を招いた可能性がある。仮に緊急の必要から北朝鮮問題で一定の合意が形成されても、東・南シナ海で米の「干渉排除」を狙う軍備強化に確信を深めたはずだ。

 中国共産党大会を控え、習氏は米への弱腰を国内には見せられない。もともと強硬論の強い軍部も対米硬化を深めることは確実であり、中国の軍拡はさらに強まることが必至だ。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ