かくして米国は戦術核投入を考える 金正恩氏の乏しい判断能力…国家存亡の危機を前にした「生前葬」のようだ

【野口裕之の軍事情勢】

 北朝鮮の国会モドキ・最高人民会議が4月11日に開かれたが、ヒタヒタと迫る国家存亡の危機を前に挙行した「生前葬」のように感じた。

 お弔いの対象は最高指導者就任まる5年目を迎えた朝鮮労働党の金正恩・委員長。「生前葬」は、金委員長の肥満体を包んだ仕立ての良い黒い人民服が喪服に見えたせいではない。朝鮮戦争で共に戦い「血の友誼」を結んだと信じていた中国も、兵器供給元・ロシアも恒例の祝電を送らない暗いムードの中、北朝鮮同様、米トランプ政権に滅ぼされそうなシリアのバッシャール・アル=アサド大統領が届けた祝電を、「弔電」にダブらせたためでもない。

 米国のシリアへのミサイル攻撃が、核兵器の不保有に起因すると確信し、米国本土に届く長距離弾道核ミサイル(ICBM)開発に脇目もふらず突き進む北朝鮮の最高人民会議は、あたかも正恩氏の「生前葬」に映るのだ。

 折しも、米海軍が誇る世界最大級の原子力空母カール・ビンソンを中心とする第1空母打撃群が「最適な作戦海域」(ジェームズ・マティス米国防長官)で朝鮮半島危機に備える。カール・ビンソンといえば、米海軍特殊作戦部隊が暗殺した米同時多発テロ(2001年9月11日)の首魁にしてテロ・ネットワーク=アルカーイダの総司令官ウサマ・ビン・ラーディン(1957?~2011年)を、奪回され「英雄」に祭り上げられぬよう水葬にした「霊柩母艦」であった。

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