過去の間違いを反省? 米情報機関が分析にAI技術を公募

 【ワシントン=黒瀬悦成】米国家情報長官室(ODNI)は、中央情報局(CIA)などの諜報機関の分析官が行ってきた内外情勢などに関する分析と報告を将来的に人工知能(AI)に肩代わりさせる方策を探るため、総額50万ドル(5544万円)の懸賞金付きで技術やアイデアを民間から公募する初の取り組みを開始した。

 米情報機関の分析をめぐっては「イラクのフセイン旧体制が大量破壊兵器を保有している」を代表とする誤った報告が多いとされ、専門家などが外交・軍事戦略の策定や政策判断への悪影響を指摘している。

 「Xpress(エクスプレス)」と名付けられた今回の取り組みは、AIによる自動分析を使って専門のベテラン分析官が作成した分析を上回る報告書を作成することができるかを競う。これまでに世界24カ国の245以上の企業や団体、学術機関のチームが名乗りを上げており、優秀な成果を見せた複数のチームに懸賞金が支払われる。

 米紙ワシントン・タイムズによれば、米情報機関はイラク問題以外でも近年、「北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が父親よりも穏健化するという間違った予想をした」「中国の大規模軍拡を正確に評価できなかった」などの誤った分析を連発してきたとされる。

 こうした情報分析はほとんどが機密扱いとなるため、誤った報告が一般に知られることは少ない。

 今回の取り組みの統括責任者は「国際情勢の動きは速く、(分析対象も)拡大しているため、情報機関の分析部門は政策立案者や軍人に対して時宜にかなった情報や分析を提供するのがますます難しくなっている」と釈明し、より確度の高い分析にはAIが重要な役割を担うと強調した。

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