中比が初の2国間協議 日米排除図る中国、実利狙うフィリピン

 【貴陽=西見由章】中国とフィリピンは19日、中国貴州省貴陽で、南シナ海問題をめぐる2国間協議メカニズムの初会合を開いた。双方の衝突防止のほか海難救助やエネルギー開発分野などでの協力について意見交換したとみられる。ただ領有権問題の根本的な解決につながるかは不透明だ。

 協議メカニズムは昨年10月、習近平国家主席とフィリピンのドゥテルテ大統領との首脳会談後に発表した共同声明に設置が盛り込まれた。今後、年2回のペースで定期的に開催される。

 初会合には中国側から劉振民外務次官、フィリピン側からはサンタロマナ駐中国大使が出席。劉氏は冒頭「信頼ある措置を生み出し安全環境を改善するプラットホームだ」と強調した。

 スカボロー礁(中国名・黄岩島)を実効支配するなど海洋進出を強める中国に対し、フィリピンのアキノ前政権は国際社会の圧力を求めて13年、国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所に中国を提訴。昨年7月には中国の主権主張を全面否定する裁定が出された。

 ただ昨年6月に就任したドゥテルテ大統領は同盟国の米国と距離を置き、中国との接近を図る姿勢に転換。同10月の中比首脳会談では仲裁裁定を持ち出さず、中国から総額約240億ドル(約2兆6千億円)相当の投資や融資を約束させた。フィリピンは日米など国際社会の圧力排除を狙う中国の求めに応じて2国間協議に応じることで、中国側による投資の早期実施やエネルギー共同開発などの実利を求めるとみられる。

  

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ