韓国大統領選 反日政権の衝撃(上)「親日派を清算する」慰安婦問題蒸し返す構え

 大統領選は、金正恩政権がトランプ政権の圧力に対抗し、軍事的挑発を強めた時期と重なり、安保が争点に浮上、文の親北姿勢に批判が向かった。その度に文は「最前線で北と対峙した経験」を披瀝し、相手を黙らせてきた。

 親北姿勢を隠そうともせず、金大中(デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の対北包容政策の継承と経済協力の拡充を訴える。3月の米紙のインタビューでは「金正恩を対話の相手として認めるべきだ」と主張した。

 文のこうした対北融和姿勢に最も不安を募らせたのが韓国在住の脱北者だった。脱北者団体の代表らが3日、国会で記者会見し、「文が当選すれば、(各団体に所属などする)脱北者3千人余りが米国や日本、欧州への集団亡命を申請する」と表明した。

 亡命という極端な選択の背景には、文が秘書室長などとして支えた盧大統領時代の“悪夢”がある。当時、北朝鮮との友好関係の障害とみなされ、脱北者への風当たりが強まった。

 団体によると、2008年、ゴムボートで脱北した子供を含む22人が北朝鮮に送り返された。中朝国境で活動する韓国籍を持つ脱北者らが摘発され、北朝鮮に強制送還されるケースが相次いだが、盧政権は放置した。北朝鮮の人権状況の改善を目指し、昨年9月に施行された北朝鮮人権法にも文らは反対してきた。

 脱北者団体代表の李主成(イ・ジュソン)(51)は「文は人権派弁護士出身というが、政治的利害で脱北者の命を軽視しかねない」と懸念する。

 文はなぜ、北朝鮮との関係改善にこだわるのか。一つには、両親が朝鮮戦争時に北朝鮮東部、興南から逃れてきた避難民だった影響がある。帰郷を願う両親の思いから、「統一すれば、興南に行って弁護士をしなければと考えていた」と対談集で振り返っている。

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