抜け穴だらけの対北制裁 ミサイル開発で協力 絶えぬ中東武器輸出の噂

 エジプトの首都カイロには、北朝鮮の技術者が協力して造られた第4次中東戦争(1973年)の記念館がある。当時の戦いの様子を描いた巨大なキャンバスが観客席を取り囲み、90人分ある観客席の台座が360度、ゆっくりと回る。約20分かけて1周する間に、日本語を含む複数の言葉で解説のナレーションが流れ、観客は座ったままで戦争のあらましが分かるようになっている。

 説明してくれたエジプト軍兵士(28)によると、北朝鮮人7人を含む技術者約10人が5年かけて完成させ、89年から一般公開されている。当時のムバラク大統領が訪朝した際、こうした仕組みの展示館があったことに驚き、エジプトでも同様の施設を造りたいと考えたのが発端だという。

 北朝鮮は中東地域と軍事分野でも技術協力している。特にイランとの関係が以前から取り沙汰されてきた。イランの在外反体制組織が6月、同国が北朝鮮の支援を受けて弾道ミサイル開発を続けているとの報告書を発表。地下施設やトンネルは北朝鮮を手本にしており、イラン指導部の親衛隊的性格を持つ革命防衛隊は北朝鮮の専門家のための居住施設も建設したという。

 北朝鮮が中東、アフリカのイスラム武装勢力に対し、武器を輸出しているとの噂も絶えない。最近では昨年8月、エジプト政府が拿捕した北朝鮮国籍の船長らの船から、北朝鮮製の携行式ロケット弾約3万発と大量の鉄鉱石が押収された。(カイロ 佐藤貴生)

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