米朝紛争に中共機関紙は「中立」強調 朝鮮半島勢力図に変化なら「米韓と対決辞さず」

 【北京=藤本欣也】中国の習近平国家主席はトランプ米大統領との電話会談で、北朝鮮への武力行使に反対する姿勢を明確にした。秋の中国共産党大会を前に、周辺地域の混乱は避けたいのが習政権の本音。中国官製メディアは、米韓との軍事的対決も辞さないとする中国の姿勢を打ち出し、武力行使に踏み切らないよう強く牽制(けんせい)した。

 同党機関紙、人民日報系の環球時報は11日付の社説で、米朝の軍事的緊張が高まる今、中国がしなければならないのは「中国の立場をはっきりと(米朝に)分からせることだ」と主張。

 具体的に、(1)北朝鮮が米領を脅かす弾道ミサイルを発射し、(米国の)報復を招いた場合、中国は中立を保つ(2)米韓が軍事攻撃により北朝鮮の政権転覆や朝鮮半島の勢力図の変化を試みた場合、中国は断固として行動し阻止する-ことを理解させるべきだとした。

 (1)は、中朝友好協力相互援助条約に基づく中国の軍事支援を当てにするな-という北朝鮮向けのメッセージだ。同条約には、北朝鮮が武力攻撃を受け戦争状態に陥った場合、中国軍が自動介入する条項がある。

 しかし、同条約の第1条では「中朝両国は世界平和を守るため、あらゆる努力を払う」と規定。核開発を続ける北朝鮮はこれに違反しており、中国が軍事介入する義務はない-とする見解が中国では少なくない。

 (2)は、北朝鮮に親米政権が樹立されるのを中国は傍観しない-という米国へのメッセージだ。

 従来、北朝鮮が混乱状態に陥った場合、中国軍が北朝鮮北部を占領し、(1)寧辺などの核施設を管理下に置く(2)中国へ北朝鮮難民が押し寄せるのを防ぐため安全地帯を設ける-などの可能性が取り沙汰されていた。

 今回の環球時報の主張は、国境を挟んで米国の勢力圏と隣り合わせになるのを避けるため、米韓との軍事的対決も辞さない強硬姿勢を取る必要性を説いたものだ。北朝鮮北部にとどまらず、平壌まで派兵することを念頭に置いている。

 習政権が官製メディアを使って、米朝双方に自制を求めたと見る向きもある。

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