北ミサイル 米政権、米韓演習決行し北の出方見極めへ 軍事力ちらつかせ外交解決に誘導

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米政権は、北朝鮮が米領グアム沖への弾道ミサイル発射計画の実施を保留する意向を示したことに対し、21日から始まる米韓合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」(UFG)を予定通り決行した上で、北朝鮮の出方を見極める考えだ。

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による「米国の行動をもう少し見守る」とする発言について、米政権は、北朝鮮が米韓演習の中止や規模縮小を暗に求めてきたと受け止めている。

 しかし米国防総省は、米韓演習は「韓国防衛に向けた米韓の即応態勢と相互運用性を確認するのが目的」であるとし、北朝鮮侵攻のための演習ではないと指摘。そもそも北朝鮮からの中止要求に応じる理由がないとして、特に規模も変更することなく演習を開始する構えだ。

 トランプ大統領による「北朝鮮は炎と怒りに見舞われる」「軍事的解決策を取る準備は整っている」とする一連の発言は、トランプ政権が外交・経済的圧力を通じた平和的解決から軍事に重点を移したことを意味するものではない。

 米政権が期待するのは、仮に軍事衝突となれば崩壊は確実な金正恩体制に軍事力行使をちらつかせることで、金体制を外交解決の道に向かわせることだ。

 実際、マティス国防長官らは米紙(14日付)への寄稿で、北朝鮮の行動を変える手段としては「外交が望ましいが、それは軍事的選択肢で支えられている」と明確に表明し、「(北朝鮮からの)いかなる攻撃も打ちのめす」と強調した。

 北朝鮮としては、ミサイル発射を一時見送ることでボールを米国に投げ返したと見なしている可能性があるが、事態の行方は引き続き、北朝鮮が振り上げた「4発の弾道ミサイル」という拳をどう下ろすかにかかっている。

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