北ミサイル 立ちはだかる米中「レッドライン」 北の“次の一手”、実は限定的

 【ソウル=桜井紀雄】日本列島越しのミサイル発射という一線を悠々と越えたかにみえる北朝鮮の金正恩政権だが、新たな弾道ミサイル発射や核実験など、挑発の選択肢は実は限られている。米国と中国という2つの大国の「レッドライン(越えてはならない一線)」を意識せざるを得ないからだ。

 韓国の情報機関、国家情報院によると、7月以降、14回の公開活動が確認された金正恩朝鮮労働党委員長は視察を例年の半分に絞り、大半をミサイル関連施設の訪問に費やしている。大陸間弾道ミサイル(ICBM)完成を米国と対峙する「最終関門」と見すえた並々ならない執念がうかがえる。

 こうした中、北朝鮮は8月上旬、米領グアム沖へのミサイル発射計画を公表した。ただ、発射は現実的には難しいとの見方が支配的だ。「領土と国民の安全」を第一に考えるトランプ米政権の迎撃や報復が予想されるからだ。

 一方、グアムを外した太平洋側へのICBM試射や中短距離ミサイルの奇襲的発射は十分想定され、9月9日の建国記念日を前に日米韓3カ国は警戒を強めている。

 北朝鮮は核実験を「常時、実施できる状態」(韓国当局)ともいわれる。だが、放射能被害が及ぶ恐れがあると中国政府が拒絶反応を示している。実施には“生命線”である原油供給停止を覚悟する必要がある。

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