北ミサイル 「平和的圧力強化」の限界露呈 弱腰みせられぬ北、威嚇で面目保つ

 【ソウル=名村隆寛、ワシントン=黒瀬悦成】北朝鮮が今月上旬、米領グアム沖へのミサイル発射計画を公表して以降、トランプ米政権との“恫喝合戦”がエスカレートした。米朝間の緊張は一時緩和したかに見えたが、先週から重要な記念日が続く北朝鮮は米国の顔色をうかがい、膝を屈する姿勢を見せるわけにいかなかった。一方、米政権の警告をよそにミサイル発射に踏み切ったことは、米国が掲げる「平和的な圧力強化」(ティラーソン国務長官)の限界が露呈しつつあることを示している。

 北朝鮮が今回発射した弾道ミサイルは、「グアムを包囲射撃する」と公表していた中距離弾道ミサイル「火星12」である可能性が指摘されている。北朝鮮は事実上、発射方向を南南東から北東に変えただけで、予告通り距離的にはグアムを狙えることをほぼ証明した。狙いを定めた方向に発射し、精度を高めていることも見せつけた。

 金正恩朝鮮労働党委員長自身が言明しているように、北朝鮮は「攻撃命令が下されれば、敵の侵略の本拠地を痕跡もなく撃滅する」態勢にある。金正恩氏の決断次第で、日本列島やグアムを狙うミサイル発射は常時可能だ。

 北朝鮮がグアム沖への発射計画を発表後、トランプ政権は軍事的報復の可能性を示唆し、金正恩氏は発射保留の意向を示した。その後、米国の強硬姿勢への反応を発射自制で示し、米国から“評価”もされた。

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