対北石油禁輸は大打撃 北朝鮮、飢餓や社会混乱起ころうとも核・ミサイル優先

 【ソウル=名村隆寛】国連安保理の対北制裁決議案の切り札とされる石油禁輸が実現した場合、北朝鮮に与える経済的ダメージは極めて大きい。

 石油精製品としてのガソリンの供給を断ち切ることによって自動車や船舶、航空機の稼働がさらに困難となる。また、戦闘機などの通常戦力、ミサイルはもちろん、移動式弾道ミサイルの運搬車両にも影響が及ぶことは必至だ。

 石油禁輸に反対するロシアなどが指摘するように、病院など一般市民の生活が深刻な影響を受けることも予想される。社会混乱が起き、大量の難民が発生することや、政権崩壊までもが中国などでは懸念されている。

 ただ、プーチン露大統領が指摘したように、「北朝鮮は草を食べても核を放棄しない」ものとみられる。人民の生活よりも、金正恩(キム・ジョンウン)政権の維持に直結する核やミサイルが重要であるためだ。人民を飢えさせても核開発にこだわった金正日(キム・ジョンイル)政権下の1990年代後半での出来事が、それを証明している。

 それよりも問題は、対北石油禁輸が米国などの要求通り実現するかだ。

 北朝鮮の石油需要は年間90万トンで、うち50万トンが中国に頼っているといわれる。約20万トンがロシアから輸入されているとされ、プーチン大統領も対北輸出を認めている。

 石油の供給を完全に停止せず、抜け道がある限り、金正恩氏が人民を餓死させても核・ミサイルを手放すことはなさそうだ。

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