中国にしてやられた10日間 トランプ米大統領アジア歴訪

 【マニラ=黒瀬悦成】トランプ米大統領は14日、10日間にわたる初のアジア歴訪を終えてマニラから帰国の途に就いた。トランプ氏は、最大の焦点だった北朝鮮問題で日韓との連携強化こそ確認したものの、肝心の中国からは対北圧力の強化に向けた表だった具体的確約は得られなかった。また、中国の覇権拡大に対抗する形での明確な「アジア太平洋戦略」も最後まで明確に打ち出されず、中国に「懐柔」された印象が最後までつきまとった。

 今回の歴訪で、米政権からみた長期的な「インド太平洋戦略」をめぐる最大の成果は、地域の伝統的な同盟国および友好国である日本、オーストラリア、インドの首相と会談し、自由と民主主義の価値観を共有する日米豪印4カ国の安全保障ネットワークの構築に向けて前進したことだ。

 中国が軍事力を確実に増強させる中、国防費の大幅増額が見込めず陸海空軍の疲弊も目立つ米政権がインド太平洋で軍事的存在感を維持し、中国に対抗して戦略的利益を確保するには、伝統的同盟国との集団的安全保障の枠組みを強化していく必要がある。

 問題なのは、肝心のトランプ氏による中国への対応が及び腰で、戦略性を欠いたようにみえることだ。

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