北ミサイル 顔に泥塗られた中国、強い調子で北を非難

 【北京=藤本欣也】中国外務省報道官は29日、北朝鮮の弾道ミサイル発射について「重大な懸念と反対の意を表明する」と強い調子で批判、北朝鮮に「国連安保理決議の順守と朝鮮半島の緊張を高める行動の停止を強く促す」と述べた。同時に「関係国が慎重に行動するよう望む」とも言及、米国などに自制を求めた。

 習近平国家主席は今月、自らの特使を訪朝させたものの、金正恩朝鮮労働党委員長との会談が不発に終わり、顔に泥を塗られた。

 中国国内でも「北朝鮮の崩壊に備えた協議を米韓と始めるべきだ」との意見が政府系学者から出るなど、北朝鮮へのいらだちが国民やメディア、軍の一部に募っている。政権批判への転化を懸念しなければならない状況で、政府がこの日、北朝鮮を強く非難した背景にはこうした事情もある。

 習政権は一方で、難民流入など中国に多大な影響を及ぼす北の政権崩壊は容認しない立場とみられ、米国の攻撃を警戒している。

 軍事衝突を回避するには、中国が国連安保理の新たな対北制裁にどこまで協力できるかがカギとなる。

 ただ中国としては、本格的な冬の到来を控え、原油の禁輸はもちろん石油関連の輸出規制強化は市民生活に直結するだけに受け入れにくい。北朝鮮の社会混乱を招く恐れがあるためだ。

 中国は既存の国連制裁の厳格な履行に加え、北朝鮮と関係のある企業・個人の摘発や北朝鮮観光の禁止など事実上の独自制裁強化の道を探るとみられる。

 また習政権は、近く訪中予定の文在寅韓国大統領の対北融和姿勢を利用し日米を牽制、国連の場ではロシアとともに強硬な制裁決議の採択を阻止する構えだ。

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