韓国が10億円負担 慰安婦合意の日本拠出分 再交渉は求めず

 【ソウル=名村隆寛】韓国の康京和外相は9日、慰安婦問題をめぐる2015年12月の日韓合意の検証結果を受けた韓国政府の方針を発表した。日本側に合意の再交渉は要求しないとする一方、合意に基づき日本政府が拠出した10億円を凍結し、その扱いを日本側と今後、協議すると表明した。

 康氏は「被害当事者(元慰安婦の女性)の意思を反映していない合意で、慰安婦問題は解決できない」とする半面、「合意が両国間の公式合意だったという事実は否定できず、日本政府に合意の再交渉を求めない」と明言した。

 一方では、元慰安婦らが「自発的で心のこもった謝罪を求めている」とし、「日本が事実を認め、被害者らの名誉・尊厳回復と心の傷を癒やすための努力継続を期待する」と日本政府の“自主的な対応”を求めた。

 方針では日本が拠出した10億円を韓国政府の予算でまかなうことが示されたが、一部の元慰安婦らが日本に金を返還すべきだと主張していることを受けたものだ。しかし日本からの拠出金を合意時点で存命だった元慰安婦47人中、約77%の36人が受け取るか受け取りの意思を表明している。

 また、合意に従い韓国側が設立した元慰安婦支援の財団の運営について、元慰安婦や関係団体、国民の意見などを聞き後続措置をとるとし、運営の再検討を示唆した。

 日韓合意では慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を日韓両政府が確認し、日本側は合意事項を忠実に履行してきた。日本政府の拠出金を韓国政府が負担することなどは、合意に反している。

 韓国政府が発表した方針では、合意で韓国側が「適切に解決されるよう努力する」と確約した日本大使館前の慰安婦像の問題については一言も触れていない。

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